...氣のゆるんだやうな...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...折よく飛行島は出航準備で島内の警戒がゆるんだので...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...もうよぼよぼで口元のゆるんだ老人に身をやつしていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...ゆるんだ革袋のような皮が...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...弦のようにはり切った私の心がそうすることを強ゆるんだ...
豊島与志雄 「蠱惑」
...こんで毎年(まいとし)四五反歩位(たんぶりぐれえ)は打開墾(ぶちおこ)すんだから」勘次(かんじ)は蹙(しが)めた顏(かほ)の筋(すぢ)がゆるんだ樣(やう)になつておつたの前(まへ)に誇(ほこ)つた...
長塚節 「土」
...前緒(まえお)のゆるんだ下駄を立派な沓脱(くつぬぎ)へ残して...
夏目漱石 「野分」
...綱がゆるんだ時にはずしさえすれば...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...事務の世界に対する自分の少しゆるんだ関係を訪問や出張旅行によって固め...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ちょうど今そこにゆるんだ個所を認めたような素振りで...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ゆるんだ頬(ほお)かむりの手拭(てぬぐ)いを口に咥(くわ)えた...
本庄陸男 「石狩川」
...八十七箇所は落ち無く巡つて今一箇所といふ真際になつて気のゆるんだ者か...
正岡子規 「犬」
...それから私は急に氣がゆるんだやうな...
水野仙子 「道」
...鼻緒のゆるんだアンペラ草履で渡って来ると...
宮本百合子 「刻々」
...草鞋のひものゆるんだのに気付いて七三に膝を突いて締め直している...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
......
三好達治 「霾」
...一瞬なごやかにゆるんだ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...このぼんやりとしたゆるんだ心理(しんり)の続(つゞ)いてゐる空虚(くうきよ)な時間(じかん)に...
横光利一 「美しい家」
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