...――ゆるんだ疲れ切った空虚な心は...
伊藤野枝 「わがまま」
...氣のゆるんだやうな...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...髪がゆるんだので解いて了つて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...こんなゆるんだ性質では家主はとてもつとまるものではないな...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...ネヂがゆるんだためで...
種田山頭火 「其中日記」
...彼もなんだか気がゆるんだらしく...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...作者がみずから課した抑制のゆるんだがためだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...こんで毎年(まいとし)四五反歩位(たんぶりぐれえ)は打開墾(ぶちおこ)すんだから」勘次(かんじ)は蹙(しが)めた顏(かほ)の筋(すぢ)がゆるんだ樣(やう)になつておつたの前(まへ)に誇(ほこ)つた...
長塚節 「土」
...事務の世界に対する自分の少しゆるんだ関係を訪問や出張旅行によって固め...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ゆるんだ頬(ほお)かむりの手拭(てぬぐ)いを口に咥(くわ)えた...
本庄陸男 「石狩川」
...市民的な組織が少しでもゆるんだり...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...彼の顔の筋肉がゆるんだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...ヨーロッパの民衆は平常の表情はだらしないゆるんだ様子をしている者でも...
宮本百合子 「映画の恋愛」
...最も低くゆるんだ理由・最もありふれた理由・が最もよく実際に役立つのだとしたら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何か神経のゆるんだような感じであった...
矢田津世子 「父」
...あるいは監視がゆるんだのかもしれない...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...ゆるんだ小田原提灯(おだわらぢょうちん)の巻ゲートル姿で泛(うか)んで来る...
横光利一 「微笑」
...張りつめていた気もゆるんだか...
吉川英治 「三国志」
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