...時というものをゆるゆるすり減らすやすりのように日がな日ねもす聞こえていた...
有島武郎 「或る女」
...身体(からだ)を悶(もだ)えて泣き悲しむを寛々(ゆるゆる)と打見遣り...
泉鏡花 「活人形」
...緩々(ゆるゆる)と流れて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...浅い水がゆるゆると流れていた...
上村松園 「京のその頃」
...万吉郎は宿題をゆるゆると考えるために...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...いろいろな思いがゆるゆると根をおろしそれからそれへとひろがっていく...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...次第にゆるゆると近づいて来る...
太宰治 「女の決闘」
...玉川上水は深くゆるゆると流れて...
太宰治 「乞食学生」
...ゆるゆると味わおうじゃないか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ゆるゆる腹を拵(こしら)えて出立する暇は充分」「よし十人二十人の討手が向うたからとて...
中里介山 「大菩薩峠」
...おどろしくまたゆるゆると陽のかぎろひのその下((もと))を...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...ゆるゆる遣(や)って...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...それを頭の上でゆるゆるとまわしながら見送っていた...
久生十蘭 「だいこん」
...千メートルほどのところをゆるゆると旋回しながら...
久生十蘭 「ノア」
...ゆるゆる話したいことがあったんじゃがなあ...
火野葦平 「花と龍」
...悠々(ゆるゆる)立って居間に入って仕舞った...
宮本百合子 「或る日」
...今宵はここでゆるゆるとお話が願いたい」「まあにわかに改まって何事でござりますかいの……...
吉川英治 「剣難女難」
...われらの六波羅入りは、ゆるゆる、三番乗りでよかろうわい」と、一同をなだめたままでいたわけだが、もちろん直義たち幕僚の将には、何ともジリジリするような我慢以外なものではなかった...
吉川英治 「私本太平記」
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