...気のゆるみがあるのでございましょう...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...それらは呪(のろ)うべき心のゆるみの仕事ではなかったか...
有島武郎 「星座」
...伸ばした脚にゲエトルがゆるみ...
梅崎春生 「日の果て」
...その相手の心のちょっとしたゆるみの瞬間を狙っていたのだった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...気のゆるみで二人とも...
海野十三 「恐龍艇の冒険」
...僕は急に気がゆるみ...
海野十三 「深夜の市長」
...私の実物写生の研究と西洋彫刻に対する憧憬(どうけい)は少しもゆるみはせず...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その響のために古い建築物にゆるみが來るといふ理由でおやめになつて...
竹久夢二 「砂がき」
...だだっ子の兵児帯(へこおび)がほどけるように大蛇の巻き線がゆるみほぐれてしまう...
寺田寅彦 「映画「マルガ」に現われた動物の闘争」
...この作品には至るところにゆるみがあるのが感じられる...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...天保(蒼)の句はゆるみがちなるものをなほゆるめたらん心持あり...
正岡子規 「俳諧大要」
...初老の小説家、つよい意志で自分の生活を律しながら、芸術との安定したバランスのなかで、すでに世間的な名声をも確保している男が、ふと息ぬきをする気になって出た旅さきで、心のゆるみから、ギリシャ美を象徴するような、端麗無比(たんれいむひ)な少年のすがたにみいられて、いっさいの実生活的な節度と自制をうしないつくしたあげく、まるでわざとのように、伝染病のおそろしい毒に染まったなり、その少年と空想のなかでひとつになろうとしながら、あっけなくほろび去ってしまう――この特異ないきさつのなかに、われわれは、芸術と生活との宿命的な相互関係を、まざまざと見せられる気がする...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...仏勤めを平生以上にゆるみなくあそばす八の宮であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やや結合のゆるみ始めたのが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...徳さんの硬ばった表情がゆるみ...
山本周五郎 「季節のない街」
...しかしこのあいだに季候はいつかゆるみはじめ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「それには?」と、たたみかけて、曹操が問うとまた、「押しつめて、わざとゆるみ、敵を驕(おご)らせて味方は潰走(かいそう)して見せる...
吉川英治 「三国志」
...防戦のゆるみを見せれば...
吉川英治 「新書太閤記」
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