...柄はゆるくてガタガタしていたが...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...それは水面にできた波紋がゆるく輪をひろげるやうに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それに沿つてゆるく曲つた川...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...くるりくるりとゆるく回転しながら...
豊島与志雄 「山吹の花」
...帯をゆるくしめて...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...堅くもなくゆるくもなく...
長谷川時雨 「夏の女」
...木の間ちょうちょうゆるく吹かれゆく繁野君のはいくです...
林芙美子 「お父さん」
...胴も腕も痩(や)せたれば脇の下うつろとなりて、験温器ゆるく、ややもすれば辷(すべ)り落ちたるを知らざる事あり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...紫煙をゆるくくゆらせつつ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...そらには霜(しも)の織物のような又白い孔雀(くじゃく)のはねのような雲がうすくかかってその下を鳶(とんび)が黄金(きん)いろに光ってゆるく環(わ)をかいて飛びました...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...時がたちましてもなかなかお悲しみはゆるくなるようなこともないでしょう」「人生の無常はもうこれまでにいろいろなことで教訓されて参った私でございますが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...梅が香の匂いがどの室で焚かれているのか、ゆるく、遠く漂うて来た...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...阿武隈川はそこでゆるく「く」の字なりに曲っており...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...鎖はカンになって中心の柱にゆるくはめられてあるから...
山本宣治 「猿の演説」
...曲に合せてゆるく身体を動かしていた...
横光利一 「旅愁」
...緒はゆるく確(しか)と結べ...
吉川英治 「新書太閤記」
...時折、伽藍の近くから、夜籠(よごも)りの遍路(へんろ)の鈴(りん)が、ゆるく、眠たげに……...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...……郁次郎もこのぶんでは、道中つつがなく、帰府の旅をいそいでおるじゃろう」と空を仰いでも、親心に、やがて長崎から帰るわが子のことを思いながら、歩調ゆるく、養生所の方へ行ってしまった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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