...――道に落ちた木の葉がゆるくさら/\と風にころがつてゐる音がするばかりだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...大鉄槌の柄をゆるくしておいた...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...三日月刀やインドの曲刀やトルコのゆるくそつた剣などの記念品があつたりして...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...ゆるく廻り、また静止し、また廻り、いつとなく沖の方へ吹きやられていった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...燈明(とうみょう)の灯(ひ)がゆるくゆれると...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...ゆるく波足(なみあし)を引いて...
夏目漱石 「草枕」
...帯をゆるくしめて...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...湯につけると、君の躯は大きくふくれる……」「飛行機が墜ちさうになつても、誰も助けられないつて、變な事だわ……」私は廣い湯の中で、鷄介の兩手をつかまへて、ゆるくまはつた...
林芙美子 「あひびき」
...ゆるく涙が耳へ流れこんでくるまゝにまかせて孝次郎は蒲團の中で暫く行く末の事を考へてゐた...
林芙美子 「雨」
...富岡は一服ゆるく煙を吐き出しながら...
林芙美子 「浮雲」
...朝陽がきらきら光って広い空に浮雲が一つ西の方へゆるく流れてゆきます...
林芙美子 「鶴の笛」
...椰子でつくつた扇子(キツパス)でゆるく蚊を追ひながら...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...ゆるくゆるくゆるんで行く睡(ねむ)い瞼(まぶた)のすぐまのあたりを凄(すご)い稲妻(いなずま)がさッと流れた...
原民喜 「鎮魂歌」
...褐色の平原がゆるく波をうちながら茫々とひろがっている...
久生十蘭 「新西遊記」
...薄靄の底でゆるく傾き流れた光りの海に見えた...
横光利一 「旅愁」
...抑揚はゆるく声は澄んで...
吉川英治 「三国志」
...忍(しの)びやかに吹いていた笛(ふえ)の音(ね)が空をゆるく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...香りのある煙がゆるく這った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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