...妻は荷をゆりあげて鼻をすすりすすり取って返した...
有島武郎 「カインの末裔」
...薫(くゆり)に半ば黒みたる聖母の像を...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...また主力(しゆりよく)を傾(かたむ)けてゐるのである...
今村明恒 「地震の話」
...渠を捉へて二三度力づよくゆり動かした...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ゆりかさんはどうなるのでしょう...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...やめました」「やめた?」「百合(ゆり)ッぺに追い出されたようなもので……」「ほう」店では栄子の方が古参で...
高見順 「如何なる星の下に」
...張出窓での百合(ゆり)花やトマトの栽培...
高村光太郎 「智恵子抄」
...彼の父杉百合之助(ゆりのすけ)は敬神(けいしん)家にして忠摯(ちゅうし)篤実(とくじつ)なる循吏(じゅんり)なりき...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...白き百合(ゆり)を採り尽して舟に投げ入れ給え...
夏目漱石 「薤露行」
...百合(ゆり)のようにうなだれた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...なまあたたかい宵を揺(ゆり)いすに腰かけて新聞をよみながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...雪のなかに白百合(しろゆり)の花を咲かせました...
宮沢賢治 「烏の北斗七星」
...百合(ゆり)を煮て交ぜると大層美味しくなります」と一々原物に就(つい)て教ゆるに妻君熱心に習いてその味を試み「なるほど良い風味ですね...
村井弦斎 「食道楽」
...ときどきはそこに百合(ゆり)の花が咲き...
柳田国男 「母の手毬歌」
...羽後(うご)由利(ゆり)郡の海岸でもサシボコ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...百合殿(ゆりどの)の小女房...
吉川英治 「私本太平記」
...つまり“幕末維新のひめゆりの塔”である...
吉川英治 「随筆 新平家」
...よく油を通された髪は男の心を根柢からゆり動かすものがあった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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