...曉の光の中で微動(こゆらぎ)もなく...
石川啄木 「葬列」
...それが彼女の腕のゆらぎにつれて...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...ランプがゆらぎました...
アントン・チエーホフ Anton Chehov 鈴木三重吉訳 「子守つ子」
...奇(く)し御靈(みたま)葉(は)にもゆらぎて...
薄田淳介 「白羊宮」
...水の底が遠くまで透けて日光につくられた金いろの網がぶわぶわとゆらぎ...
中勘助 「島守」
...余は勾欄から見るのは丁度山車の人形が車の軋るにつれてゆらぎながら進んで行くやうなものだと思つた...
長塚節 「菜の花」
...有耶無耶の心ゆらぎて...
夏目漱石 「水底の感」
...心のなかでゆらぎだす...
原民喜 「心願の国」
...お前が眺(なが)めていた庭の若竹の陽(ひ)ざしのゆらぎや...
原民喜 「鎮魂歌」
...青味を帯びた厖大な氷になってゆらぎだし...
久生十蘭 「白雪姫」
...神々しい夜だ! 蠱惑的な夜だ! 闇にとざされた森は霊化したもののやうにさゆらぎもせず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...知らない草穂が静かにゆらぎ...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...からすの大監督はなほさらうごきもゆらぎもいたしません...
宮沢賢治 「烏の北斗七星」
...たうもろこしはだんだん数を増してもういまは列のやうに崖と線路との間にならび思はずジョバンニが窓から顔を引っ込めて向ふ側の窓を見ましたときは美しいそらの野原の地平線のはてまでその大きなたうもろこしの木がほとんどいちめんに植えられてさやさや風にゆらぎその立派なちゞれた葉のさきからはまるでひるの間にいっぱい日光を吸った金剛石のやうに露がいっぱいについて赤や緑やきらきら燃えて光ってゐるのでした...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...そのあとではきまって決心がゆらぎ...
山本周五郎 「契りきぬ」
...――あのときから気持がゆらぎだしたのだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...霧がゆらぎはじめた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...灯影(ほかげ)のゆらぎ...
吉川英治 「新書太閤記」
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