...曉の光の中で微動(こゆらぎ)もなく...
石川啄木 「葬列」
...向うから渡つて來る一人の人夫のゆらぎがこちらがはの銅線全體につたはつてもゐたので...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...怪火(かいか)がゆらぎ(これは一郎のもっていた懐中電灯のことだ)それから朝になっていってみると...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...すずろに心(こゝろ)ゆらぎて...
薄田淳介 「白羊宮」
...草(くさ)かた葉(は)さゆらぎて...
薄田淳介 「白羊宮」
...奇(く)し御靈(みたま)葉(は)にもゆらぎて...
薄田淳介 「白羊宮」
...風がとほくを過ぎるときに身體をかたくして 僕は手をたれてゐる家畜の眠りのまはりの夜のやうにかすかな響が僕を包んだ――僕にはどうしてもわからないどうしてあんなにいそぐのかそして或る時はしづかなのか風のことが窓をとざして僕は聞いてゐるさうして いつまでも聞いてゐると焔のゆらぎに 谺に 風はかなしく答へにやつて來る夜のなかでうたひつづける汚れた僕の分身...
立原道造 「夜に就て」
...・ゆふべしたしくゆらぎつつ咲く(月草)・おみやげは酒とさかなとそして蝿(樹明君に)・何を求める風の中ゆく・若葉あかるい窓をひらいてほどよい食慾青葉のむかうからうたうてくるは酒屋さん風ふく竹ゆらぐ窓の明暗風の夜の更けてゆく私も虫もぢつとして六月三日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...ちろちろゆらぎながら...
壺井栄 「二十四の瞳」
...すると仏壇の間(ま)のほのかな燈明(とうみょう)のゆらぎが眼(ま)のあたり蘇(よみがえ)って来た...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...人気のあった坊さんが静々と奥院の方から仄(ほのか)にゆらぎだして来て...
長谷川時雨 「西川小りん」
...お前が眺めてゐた庭の若竹の陽ざしのゆらぎや...
原民喜 「鎮魂歌」
...その期待のたのしみは續く……蝸牛(かたつむり)は木の葉のゆらぎにでもその觸角を殼の中に閉ぢ込めなければならない...
水野仙子 「嘘をつく日」
...それは〔〕だんだん数を増して来てもういまは列のやうに崖と線路との間にならび思はずジョバンニが窓から顔を引っ込めて向ふ側の窓を見ましたときは美しいそらの野原の地平線のはてまでその大きなたうもろこしの木がほとんどいちめんに植えられてさやさや風にゆらぎその立派なちゞれた葉のさきからはまるでひるの間にいっぱい日光を吸った金剛石のやうに露がいっぱいについて赤や緑やきらきら燃えて光ってゐるのでした...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
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宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
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三好達治 「故郷の花」
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室生犀星 「抒情小曲集」
...百目蝋燭一本のゆらぎしかない掛小屋の太平記読などを聞いていようという庶民では...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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