...なんとかそこに余裕(ゆとり)をつけるつもりが...
有島武郎 「或る女」
...そんな夢のやうなことを思つたりするゆとりがないまでに...
薄田泣菫 「独楽園」
...あたりの秋色をたのしむ心のゆとりもわかず...
壺井栄 「二十四の瞳」
...ようやく花を賞でるゆとりをもってきたようだ...
永井隆 「この子を残して」
...廻り込むゆとりもない大の男は...
中里介山 「大菩薩峠」
...充分のゆとりを見て...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただこの大観をたのしむほどのゆとりに乏しい...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...輪廓(りんくわく)の大きい割に顏に些(ちつ)ともゆとりが無く頬(ほゝ)は(こ)けてゐる...
三島霜川 「青い顏」
...小説にうちはまってゆけるゆとりが作者の心に生じた...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...おのずからたのしむ風のゆとりが欠けて極めて微妙な焦立ちが底に流れていた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつもゆとりのある心のこの人は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いくら稼いでも帯一本買うゆとりもない...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...他のことで頭を使うようなゆとりはなかったし...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...まわりにゆとりがあるのと...
山本周五郎 「日本婦道記」
...さいわい用務が早く済んで帰城にもゆとりがあった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...気持のゆとりはなかった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...あたりの人人を見ながらゆとりのある足つきだったが...
横光利一 「旅愁」
...何を思い出すゆとりもなかった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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