...ゆく末に何(なん)の導(しるべ)ぞ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ゆく末に何の導(しるべ)ぞ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...いで若紫(わかむらさき)ゆく末(すゑ)はと寄(よ)する心(こヽろ)の人々(ひと/″\)も多(おほ)かりしが...
樋口一葉 「曉月夜」
...鬼神をひしぐ荒ら男たりとも越し方ゆく末の思ひに迫まられて涙は襟に冷やかなるべし...
一葉 「暗夜」
...我(わ)が戀人(こひびと)のゆく末(すゑ)を守(まも)り玉(たま)へと...
一葉女史 「ゆく雲」
...妻子のある男がほかの女にゆく末のことを約束して...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ゆく末はかならず夫婦になろうと約束していた...
山本周五郎 「留さんとその女」
...ただ、お縫どのに、この上の傷(いた)みをかけずに、ゆく末、きょうを忘れて、よい人妻となるように、祈って逝(ゆ)かれるのが、唯一のお詫びです...
吉川英治 「大岡越前」
...このさい和殿が不在となっては心もとない」「お諭(さと)し、よう分りまいた」「ご合点かの」「父に逆ろうてもとまで、思い極(きわ)めておりましたが」「それよ、その誠意だにお失いなくば、ゆく末、御奉公の場所はいくらでもあろう...
吉川英治 「私本太平記」
...わしは急がぬ旅じゃが、ひと夜を共に、もっと来(こ)し方(かた)、ゆく末、語りおうてみる気はないか」「願うてもないことではございますが」「扇店(おうぎみせ)は、たそがれに、莚(むしろ)を巻くのか」「いえ、この生業(なりわい)も、木賃(きちん)のあるじが、長谷のお賽日(さいにち)には人出もあるゆえと、私たち夫婦に稼ぎの道をおしえてくれたのでございました...
吉川英治 「私本太平記」
...ゆく末、よい世に巡り会いたいなら、父子、叔父(おじ)甥(おい)、かたらいあってみなやって来い...
吉川英治 「私本太平記」
...ゆく末(すえ)のことなど話しこんでいたのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...ゆく末合戦の絶えない国...
吉川英治 「新書太閤記」
...ゆく末とも、朝倉領には兵を入れぬという約定(やくじょう)だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...――そして今は、あなたのお手許で、ゆく末、よい禅尼(ぜんに)にでもなるために、勉強中というわけですかな」「とんでもない、あの子は、田舎ぎらいです...
吉川英治 「新書太閤記」
...おめえは、この女を、知っているのか」「知ってるどころの沙汰じゃあねえ! この女あ、おれのいいなずけなんだ」「えッ、いいなずけだって」「いや、ゆく末、夫婦の約束をしたんだから、内縁の女房といったほうが分るだろう」「ほんとかい、なるほど、美(い)い女だが」「だれが、嘘をいう!」と、三蔵は、仲間へ、誇っていった...
吉川英治 「新書太閤記」
...又八どの、此度(このたび)、御縁の候て、当方の養子にもらいうけ候に就いては、おん前様(まえさま)のこと、懸念のようにみえ候まま、左候(さそうろう)ては、ゆく末、双方の不為故(ふためゆえ)、事理(ことわけ)おあかし申し候て、おもらい申候...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ゆく末よい道を選んでたもれと……なあ城太郎……そうわしがいって行ったと申して...
吉川英治 「宮本武蔵」
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