...さて目も、口も、鼻も、眉も、一様(いつよう)普通のものにてはこれなく、いづれも、ゆがみ、ひそみ、まがり、うねりなど仕(つかまつ)り、なかには念入(ねんいり)にて、酔狂にも、真赤な舌を吐(は)かせたるが見え候...
泉鏡花 「凱旋祭」
...音声のゆがみは、直す方法がない...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...ゆがみて蓋(ふた)のあわぬ半櫃(はんびつ)凡兆(ぼんちょう)草庵(そうあん)にしばらくいては打ちやぶり芭蕉(ばしょう)(昭和七年五月...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...その顔は醜くゆがみ...
外村繁 「澪標」
...口がゆがみ、眼尻がへんに下り、瞳が宙に据り、そして頬の肉にはしまりがなくて、今にもにやりと笑いそうだ...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...ゆがみ縮んだ小さな魂を決して受入れてはくれませぬ...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...ゆがみ揺らめいていて海老錠(えびじょう)のかかってるその古い鉄門の格子(こうし)越しに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ただその探求そのものも、渓谷の原始人のごとく簡単でもなく、孤独でもなく、人間の社会そのものの中でおこなわれるから、そこにゆがみも、矛盾も起ってくるから大変なのである...
中井正一 「脱出と回帰」
...今は梢のさやぎも著しく窓掛はおほにな引きそ梧桐の嫩葉の雨はしめやかに暮れぬ藁蒲團のかたへゆがみたるに身を横たふることも...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...壁はゆがみ、どの室も直角になっていないのです...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...こうしたゆがみに出会うと...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...顔がグイとひきゆがみ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...唇がゆがみ、整った白い歯を食いしばっている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...くちびるから片側へかけて憤激のゆがみが走ると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...」筒井の顔はあらたまった悲しいゆがみを見せたほど...
室生犀星 「津の国人」
...ゆがみや疵(きず)を嫌うどころか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...女の顔はゆがみ、無理にもぎはなすと唾液が白く筋をひいた...
山川方夫 「その一年」
...衣紋(えもん)のゆがみを正してやると...
吉川英治 「私本太平記」
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