...即ちこれが中央に絶大なる権力なかるべからざるゆえんである...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...そのかわりに黄金哲学と鉄コンクリート科学と摩天楼犯罪芸術の発達するゆえんであろう...
寺田寅彦 「映画時代」
...それどころか彼らが人間から軽侮される生活そのものが実は人間にとって意外な祝福をもたらすゆえんになるのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...科学者というものの「人」について多くを教わりうるゆえんをここにも明らかに認めうると考えるのである...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...カンテラやランプの油煙(ゆえん)を真黒に立てゝ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...しかしてかの世界の最強国たる露国をしてあえてその右に出ずることあたわざらしむるゆえんのものはロンバード街の貨幣市場あるがゆえなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...かえって月に一を窃(ぬす)むの姑息(こそく)手段を行なわざるべからざらしめたるゆえんのものはなんぞや...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...その所以(ゆえん)何ぞや...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...而してなお鎖国に類するの方針を執るに到りたる所以(ゆえん)のものは何ぞ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...そこが芸術の芸術たる所以(ゆえん)だろう...
永井荷風 「十日の菊」
...その情趣を異(こと)にしている所以(ゆえん)は...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...昔から真の叙事詩(エピック)が無い所以(ゆえん)である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...完全な人間となるゆえんである...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...妙の妙たるゆえんをお目にかけますから...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...蕪村が一大俳家として芭蕉以外に一旗幟(きし)を立てたる所以(ゆえん)なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...英樹さんに対して私が点がカライのはその所以(ゆえん)です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...王にその野心の空なるゆえんをさとらせようとして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...貴家にとりて却て怖るべき禍根と相なるべく慎重なる御熟考を勧むる所以(ゆえん)に御座候...
山下利三郎 「誘拐者」
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