...次第にその終焉(しゆうえん)が近づいて来ると――忘れもしない初時雨(はつしぐれ)の日に...
芥川龍之介 「枯野抄」
...優婉(ゆうえん)に円滑に男を自分のかけた陥穽(わな)の中におとしいれて...
有島武郎 「或る女」
...女王の遊園(ゆうえん)のがい骨のぶら下がっている木も...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「旅なかま」
...翁が臨終(りんじゆう)の事は江州粟津の義仲寺にのこしたる榎本其角が芭蕉終焉記(しゆうえんき)に目前視るが如くに記(しる)せり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...悠遠靉靆(ゆうえんあいたい)たる事に確信を持とうやないか...
太宰治 「惜別」
...しとやかなうちに仄(ほの)かなる媚(こ)びを湛(たた)えた幽艶(ゆうえん)な美人です...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その幽婉(ゆうえん)な姿に何か圧倒的なものを仄(ほの)かに感じていたのではあったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...殊(こと)に歌麿板画のいひ現(あらわ)しがたき色調をいひ現すに此(か)くの如き幽婉(ゆうえん)の文辞を以てしたるもの実に文豪ゴンクウルを措(お)いて他に求むべくもあらず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...これを浮世絵に見れば鳥居派の外(ほか)新(あらた)に奥村一派の幽婉(ゆうえん)なる画風と漆絵の華美なる彩色(さいしき)現はれぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...「嵯峨(さが)や御室(おむろ)」で馴染(なじみ)の「わたしゃ都の島原できさらぎという傾城(けいせい)でござんすわいな」の名文句から思い出の優婉(ゆうえん)な想像が全く破れる...
中里介山 「大菩薩峠」
...作品一三二「四重奏曲イ短調」のカペエは幽婉(ゆうえん)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...コロムビアのロンのも女らしい優艶(ゆうえん)さがあって良いと言われている(J七八三二―五)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...この幽婉(ゆうえん)さは比類もない...
野村胡堂 「楽聖物語」
...重厚な幽遠(ゆうえん)なもので...
野村胡堂 「楽聖物語」
...チャイコフスキーらしい優婉(ゆうえん)な旋律と...
野村胡堂 「楽聖物語」
...優婉(ゆうえん)で...
火野葦平 「花と龍」
...然らば壽阿彌の終焉(しゆうえん)の家は誰の家であつたか...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...妖異の所業(しわざ)と解釈して斯(か)かる伝説の由縁(ゆうえん)を作るべき事は疑を容れず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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