...その根もとのやわらかい甘味を噛(か)みしめなどしながら父のあとに続いた...
有島武郎 「親子」
...やわらかい寝床になるよ...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「年とったカシワの木のさいごの夢」
...まるでやわらかい餅(もち)が宙にかかっているような恰好(かっこう)で...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...新しいやわらかい枝が自分の重みにたえかねて突然扇のように地面に倒れる音がするのを聞くこともあった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...奉書の紙の揉(も)み方のやわらかいのが癪(しゃく)にさわったと見え...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼岸の入りの十八日には、むら消えの雪間に、蕗のとうが、むっくり頭をもたげ、千草の芽は、やわらかい土に、珍らかな若緑を、点々と撒きちらした...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...もしこの同じ人が自己のやわらかいことを仮りに他人を欺(あざむ)かんがために隠(かく)し...
新渡戸稲造 「自警録」
...自分の家になにがあるのかと立って見ていた(見物の雰囲気がやわらかいものであったのが...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...もし取り外しができるものならその「掌」をやわらかい真綿か何かへシッカリと包(くる)んで...
正岡容 「小説 圓朝」
...やわらかいしめった舌(した)でなめた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...やわらかい黒いクッションにもたれたまま...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...「風知草」はやわらかいクレパスで...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...やわらかい寝床(ねどこ)や...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...可哀そうにごしんぞさんは首を吊って」「そんなことをここで並べたててどうするんだ」得石はやわらかい調子で遮った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...初冬のやわらかい日ざしのような...
山本周五郎 「寒橋」
...次郎の肩へやわらかい手を廻して...
吉川英治 「江戸三国志」
...やわらかい鷲の背なかへまたがった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...みな葭の根の生えているやわらかい湿地に気づかなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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