...苦悶懊惱やるせなさの結果が...
石川三四郎 「浪」
...今の詩人の好んで歌う「やるせなさ」が...
上田敏 「『新訳源氏物語』初版の序」
...駒鳥(こまどり)の紅(あか)い胸毛(むなげ)のおど/\と風(かぜ)に吹(ふ)かれるやるせなさ...
竹久夢二 「桜さく島」
...芸術巴里の「常夜の祭り」がこのかるちえ・らたんであろう!珈琲(コーヒー)一ぱいで一晩かけているキャフェの椅子のやるせなさ...
谷譲次 「踊る地平線」
...それも旅人のやるせなさの一つである...
種田山頭火 「行乞記」
...――……私は此頃痛切に世のあぢきなさ身のやるせなさを感じます...
種田山頭火 「其中日記」
...やるせなさたへがたし...
種田山頭火 「其中日記」
...――――――――――――――――――――――――大阪――広島・たれもかへる家はあるゆうべのゆきき・更けると凉しい月がビルのあいだから遊戯場やるせなさが毬をぶつつけてゐる或る食堂食べることのしんじつみんな食べてゐる...
種田山頭火 「旅日記」
...夢見るようなやるせなさが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...仕事の油が乗ったところを中断されるやるせなさとを...
野村胡堂 「胡堂百話」
...身をかきむしるやうなやるせなさで聽いてゐたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――私はポーランドの近くの小さい小さい国に生れた、フランツ・ベーカーと申す者で、祖国を離れて、こう旅から旅へ、世界中を飛歩るくのが私の仕事です」西洋人の顔にも、人懐かしさと、やるせなさが、ほのかに動きます...
野村胡堂 「天才兄妹」
...「菩提樹(リンデンバーム)」や「さすらい人(ヴァンダラー)」の美しさ、やるせなさ、物悲しさは、涙なしには聴いて居られません...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...日本人の妻との離別のやるせなさを書いたもので...
長谷川時雨 「日本橋あたり」
...誰かに甘えたいやうなやるせなさで...
林芙美子 「就職」
...やるせなさそうな韻律(いんりつ)を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...またしとやかに雇人の不実や夫の放蕩や己れの老衰凋落のやるせなさなどに堪えられるように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...仕合せな琴子にくらべてわが身のやるせなさが思われる...
矢田津世子 「神楽坂」
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