...急に襲いかかるやるせない嫉妬(しっと)の情と憤怒とにおそろしい形相(ぎょうそう)になって...
有島武郎 「或る女」
...」母は見る/\やるせない涙を浮べたやうにかう言つて...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...私はやるせない悔恨に責められてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...この音の流れて行く末にシャトーのバルコニーが現われて夢見るような姫君のやるせない歌の中にこの同じ主題が繰り返さるる...
寺田寅彦 「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」
...やるせないような思いも...
徳田秋声 「新世帯」
...そんなものにもやるせない哀愁をにじませていた...
徳田秋声 「爛」
...何かやるせないような心持ちで...
中井正一 「図書館法を地方の万人の手に」
...寧ろ話し手の腹の底から沁み出して来たやるせない述懐の言葉らしく響くのでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...また博打(ばくち)の元手になることでしょう」娘はやるせない姿でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なつかしくやるせない思ひ出の一つだつたでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...老年のやるせない寂しさを説明している...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...愁いに似たやるせないほどの愛情で胸をつまらせた...
久生十蘭 「ユモレスク」
...たまらなくやるせないものはない...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...そこで最も深刻な最もやるせない眼色をするからなのであろうか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...甘いやるせないあてもないあこがれと望みのほうが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...やるせないやうな心持には自分は同感する事が出來た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...次のようにやるせない激情を表現しようとしている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「いやならおよしなされ」くらいやるせないものはない...
柳田国男 「雪国の春」
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