...弥生(やよい)の末から...
泉鏡花 「絵本の春」
...弥生(やよい)の花も見ずに過ぎ...
泉鏡花 「海異記」
...弥生(やよい)は御室(おむろ)の花ざかり三味(しゃみ)は太鼓ではやす幕の内互に見合わす顔と顔と云ったような文句で始まる「十日戎(とおかえびす)」の替え唄の舞を教わるのであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...バケツ一つだけで弥生町(やよいちょう)門外の井戸まで汲みに行ってはぶっかけているのであった...
寺田寅彦 「震災日記より」
...弥生町(やよいちょう)へ一歩踏込むと急に真暗で何も見えぬ...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...根津(ねづ)の低地から弥生(やよい)ヶ岡(おか)と千駄木(せんだぎ)の高地を仰げばここもまた絶壁である...
永井荷風 「日和下駄」
...三月(やよい)の末の事なれば春も既に暮れぬ...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...去年の霜(しも)を弥生(やよい)の中に突き出している...
夏目漱石 「虞美人草」
...腹這(はらばい)は弥生(やよい)の姿...
夏目漱石 「虞美人草」
...心の裡(うち)で八卦(はっけ)よいやよいやと怒鳴っている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...例の築山の芝生(しばふ)の上に顎(あご)を押しつけて前面を見渡すと十五畳の客間を弥生(やよい)の春に明け放って...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...弥生(やよい)式もあれば...
野村胡堂 「胡堂百話」
...奥方の弥生(やよい)様はあばたで大嫉妬(やきもち)と来てるからたまらない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水戸さまの中屋敷にむいた弥生町(やよいちょう)がわの通用門から...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
......
森鴎外 「渋江抽斎」
...眠るともなく過去層の幻影の中にふと居眠っていた……――あれは春の三月(やよい)で...
吉川英治 「私本太平記」
...弥生(やよい)の空の下へ出たが...
吉川英治 「私本太平記」
...かかりしほどに法皇(ほうおう)は文治二年の春の頃建礼門院の大原の閑居御覧(ごろう)ぜまほしゅうは思(おぼ)し召されけれども二月弥生(きさらぎやよい)のほどは嵐烈しゅう余寒も未だ尽(つき)ず峰の白雪消えかねて大声張りあげて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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