...これはやや皮肉な微笑を唇頭に漂わせながら...
芥川龍之介 「英雄の器」
...今日ではややこの誤解が解けて来たように見える...
大隈重信 「学問の独立と東京専門学校の創立」
...やや卑猥(ひわい)な調子をこめた声が挙(あが)った...
高見順 「如何なる星の下に」
...ややともすると胸がむかつきそうになる...
田山花袋 「一兵卒」
...彼(か)の動(やや)もすれば沙(さ)上に偶語(ぐうご)し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...一対の目が、右に、左に、前に、後に、やや高く、やや低く、私の方を向いて光っているのである...
外村繁 「落日の光景」
...やや西洋風なる余裕なき悲惨なる光景を呈し来(きた)ったが...
永井荷風 「日和下駄」
...それをお角はひややかに笑い捨てて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「後世おそるべし」けれども、当座の間は、悪太郎ばかりで、女の子というものは更に加わらなかったけれど、ある日、一人の、ここに常連の子供たちよりは、やや年長で、がらも大きいし、容貌も醜いほどではないが、なんとなく締りのない、低能に近いほどに見ゆる女の児を一人、子供の愚連隊が連れこんだことによって、今までとは全く異った遊びの興味を湧かすのを、主膳が見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...やや遠い、よく光のとどかないところでは、高いところの水滴が宝石でもこぼすように、何ひとつ物音のない無限の静寂の中へキラキラとしたたり落ちていた...
久生十蘭 「地底獣国」
...お孝のばあいはそれがやや極端であった...
山本周五郎 「寒橋」
...やや暫くのあいだじっとなにか考えていたが...
山本周五郎 「新潮記」
...女にはやさしい摂津守もやや色を作(な)して――「何が亥十郎の勘ちがいか...
吉川英治 「黒田如水」
...彼は、ややあから顔で、かっぷくのいい六十がらみの武将なのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...やや威嚇を用いてみても...
吉川英治 「私本太平記」
...老公の眼は、ややしばらく、母子のすがたにそそがれていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...やや落ちついたものへ返って...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索