...その生活の基準に慣らされた私達は動(やや)もするとこの基準のみを以て凡ての現象を理智的に眺めていはしないか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...俺だつて偶にや自由な体にでもならなくつちややり切れるもんか...
伊藤野枝 「惑ひ」
...今までの温順しく沈んでいた様子とはやや変った調子になって...
近松秋江 「霜凍る宵」
...やや遅れて青山の師匠の家を訪れたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...彼は冷ややかで落ち着いて重々しく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...中古の浮世絵はやや確然として肉筆派と板下派との二流に分(わか)るるの観ありき...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...余は日本人の皮膚の色とその朦朧(もうろう)たる顔面並にやや遅鈍なる輪廓は写楽の手法を以てするの外(ほか)決して他にこれを現はすの方法なかるべしと信ずるものなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...ややあわてました...
中里介山 「大菩薩峠」
...やや盛りを過ぎてはいるけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...やや間(ま)を置いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...やや暫らく待たなければならなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...動(やや)もすれば表面の儀式に止まること多し...
福沢諭吉 「新女大学」
...稍々(やや)誇張して云えば...
宮本百合子 「印象」
...ややともすると遅れがちになる足を...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...重蔵はややあって忠房の姿を見上げた...
吉川英治 「剣難女難」
...――いや義貞をして、もっとてこずらせたのは、ややもすれば、後方を突いて来る乱波(らっぱ)(ゲリラ)であった...
吉川英治 「私本太平記」
...やや霧がうすれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...そうそう山では遮那王(しゃなおう)とか名づけられているそうだが……あの牛若(うしわか)という童(わっぱ)じゃ」「それが、どうかいたしたか」「鞍馬寺の僧からも、山役人の方からも、たびたび、よからぬ状書(じょうがき)が届いている」「……どんな?」「僧をきらって、武道にばかり熱中し、ややともすれば、師僧にまで逆(さか)らうという」「その儀は、かねがね妻も案じておる事で、たびたび意見の手紙をつかわしておりますが」「意見ならよいが、よも煽動(せんどう)などではあるまいの...
吉川英治 「源頼朝」
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