...やむを得ずとび立つた蛾の一群(ひとむれ)だつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...」常子はやむを得ず荷造りに使う細引を一束(ひとたば)夫へ渡した...
芥川龍之介 「馬の脚」
...僕等はやむを得ず船ばたに立ち...
芥川龍之介 「本所両国」
...そこで新蔵もやむを得ず足を止めて...
芥川龍之介 「妖婆」
...それでやむを得ず私は道具箱の中から銅線の切れはしを捜し出して...
寺田寅彦 「断水の日」
...やむを得ず七兵衛は...
中里介山 「大菩薩峠」
...やむを得ずさいぜんから差控えておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...抑えられた顎(あご)はやむを得ず二重(ふたえ)に折れている...
夏目漱石 「虞美人草」
...やっぱり何かの事情やむを得ず御前さんを復習しているんだろう...
夏目漱石 「坑夫」
...敬太郎(けいたろう)はやむを得ずしばらくその傍(そば)に立って内の様子を窺(うか)がっていた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...宗助はやむを得ず...
夏目漱石 「門」
...やむを得ず納まらないところを...
夏目漱石 「門」
...そこでやむを得ず泣く泣く海を渡つて祖国を離れ私から遠ざかつたのであると斯う説明したわけであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...やむを得ず家内申し合わせて私にこれを防ぎ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...静かに思い返して見ようではありませんか、今そのことを話す時に人々は、あの頃の若者たちが、軍閥からだまされていたと言うしょうことなしにイヤイヤながら戦争に引っぱり出されていたのだと言う「戦歿学生の手記」は立派な本です読んで見て今更ながら戦争が如何に貴とい美しい人たちを奪って行ったかと胸がしめつけられる思いがしますここに手記をのせられている人々はほとんど皆、いやいやながらか、やむを得ずか、追いつめられてかあきらめてか、疑いながらか、ヤケになってか戦争に行った人です...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...よっぽどお困りのようだったからやむを得ず買ったんです...
山本周五郎 「末っ子」
...やむを得ず当座の思案を述べてしまったが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...どうしてももってゆけと云うので、彼はやむを得ず、それをまたふところへしまった...
山本周五郎 「雪の上の霜」
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