...やむを得ずとび立つた蛾の一群(ひとむれ)だつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...清八は爾来(じらい)やむを得ず...
芥川龍之介 「三右衛門の罪」
...女房は相不変(あいかわらず)小言(こごと)ばかり云っているか?」わたしはやむを得ず俯向(うつむ)いたなり...
芥川龍之介 「俊寛」
...やむを得ずんば大学教授の適任者と做すも忍ばざるにあらず...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...他に替る題もない為にやむを得ず用ひることにした...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...船はやむを得ずまた立ち直って沖を目ざす...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...やむを得ず、私は旅行の覚え書きを一篇の継続的記録として発表することにした...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...杉田は、やむを得ず、号令をかけるような声で、「きのうこの店に大きな紙包をあずけていった川上機関大尉は、どこにいられるか知らんか...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...けれども債権者の催促が日ましにきびしいので、やむを得ず、すっかり良田を村の任(じん)という老人に売ってしまった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「珊瑚」
...やむを得ず莚をクルクルと捲いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...抑えられた顎(あご)はやむを得ず二重(ふたえ)に折れている...
夏目漱石 「虞美人草」
...やむを得ず呼吸(いき)を切らして...
夏目漱石 「坑夫」
...やむを得ず引き返した...
夏目漱石 「三四郎」
...やむを得ず納まらないところを...
夏目漱石 「門」
...やむを得ず書斎から飛び出して行って...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...やむを得ずんばコロムビアのビーチャム卿がロンドン・フィルハーモニーを指揮したのを採(と)るほかはない(JW一〇八)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...やむを得ず顔を合せても...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...静かに思い返して見ようではありませんか、今そのことを話す時に人々は、あの頃の若者たちが、軍閥からだまされていたと言うしょうことなしにイヤイヤながら戦争に引っぱり出されていたのだと言う「戦歿学生の手記」は立派な本です読んで見て今更ながら戦争が如何に貴とい美しい人たちを奪って行ったかと胸がしめつけられる思いがしますここに手記をのせられている人々はほとんど皆、いやいやながらか、やむを得ずか、追いつめられてかあきらめてか、疑いながらか、ヤケになってか戦争に行った人です...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
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