...――すべてやみがたい哀愁をよび起すこれらの川のながめは...
芥川龍之介 「大川の水」
...そこの恐ろしい沈黙の中から起こる強い快い赤児(あかご)の産声(うぶごえ)――やみがたい母性の意識――「われすでに世に勝てり」とでもいってみたい不思議な誇り――同時に重く胸を押えつける生の暗い急変...
有島武郎 「或る女」
...さうしたものが僅かな皮肉に包まれたやみがたい女性の執着によつて表現されてゐる...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...あるいはやみがたい自然の現象であるかもしれない...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...それでもただやみがたい好奇心から...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...つまりはやみがたい芸術の憧憬(あこがれ)というよりも...
永井荷風 「監獄署の裏」
...それによって長吉はやみがたい心の苦痛が幾分か柔(やわら)げられるような心持がした...
永井荷風 「すみだ川」
...やみがたい悲痛の感動が湧きあがつてきて...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...何が坂の向うにあるのだらう? 遂にやみがたい誘惑が...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...作家は自身の限界を突破しようとするやみがたい衝動とそれを作品にする外面的孤独沈静の時をのぞむやみがたい衝動との間を絶えず揺れているもので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...演劇への愛情のやみがたいものを持っている自分達は...
三好十郎 「俳優への手紙」
...そして彼は突嗟のやみがたい鬱憤から...
三好達治 「測量船」
...人間がやみがたい或る決心をしている時だけ...
室生犀星 「姫たちばな」
...「どんなにやみがたい青春の熱情でも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しかも極刑をふりかざして!実にこれ程やみがたい欲情はないのに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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