...そうして今はもう自由に他人にお教へなさることの出来る程なお力を私はうらやましいとも何とも云ひやうのない気持ちで山田さんのお顔をながめてゐました...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年一月号)」
...夫の留守に夜歩きするとはけしからん奴だ」お岩は喜兵衛の家へ往っているのでやましいことがなかった...
田中貢太郎 「四谷怪談」
...うらやましい生き方だ...
種田山頭火 「其中日記」
...うらやましいようにもある...
田山花袋 「田舎教師」
...うらやましいような気もする...
寺田寅彦 「柿の種」
...富豪になって首を釣るほどの活力がうらやましい...
寺田寅彦 「柿の種」
...自分はうらやましい心をおさえて川沿いの岸の草をむしりながら石盤をかかえて先生の家へ急ぐ...
寺田寅彦 「花物語」
...姉たちは いいものが買つてもらへてうらやましい といふけれどそんなもの見たくもない...
中勘助 「銀の匙」
...お靜さんにやましい事があるわけはねえ」ヌツと顏を出したのは八五郎でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...うらやましい気持ちであった...
林芙美子 「貸家探し」
...けっしてやましいわけではないのだ――気づくことができるものであった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...心に少しもやましいところのないものなら...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...その結果、やましい良心と、濁った頭とに悩まされて、いらいらした、抵抗力に乏しい気持になっている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...「ほんに羨(うら)やましいのはそなたの身じゃ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...だけど、お夜食や花束をいただいたり、会へいったり、馬車で帰ったり、読書したり、休養したりして、こつこつはたらかないですむような人、うらやましいわ...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...自身としてもやましい罪人になってしまったことは取り返しのつかぬことであると思うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いつ会っても玲瓏(れいろう)と笑えるあの顔は羨やましいものである...
吉川英治 「人間山水図巻」
...姫は目をあげ塔を望むあわれその目の深さなやましい暗さ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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