...やっとの思いで曲り角まで達した時...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...そして、やっとの思いで、その口からさけび声がほとばしりました...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...子供の時分にやっとの思いで手にすることのできた雑誌は「日本の少年」であった...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...パトラッシュがやっとの思いでアントワープの町はずれまで辿りつきそれから狭い曲りくねった道に入った時は...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...自分達は仕切りの付いている寝台(しんだい)をやっとの思いで四つ買った...
夏目漱石 「行人」
...やっとの思いで若い昔を偲(しの)ぶ気色(けしき)を濃い眉(まゆ)の間に示すに過ぎなかった...
夏目漱石 「行人」
...博労はやっとの思いで巖窟を出ました...
宮本百合子訳 「二つの短い話」
...やっとの思いで恋を打ち明けた時...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...眼をやっとの思いで見開き...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...二度目の事情聴取を自分はやっとの思いでふらふらになって終えたのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...手前がやっとの思いで助けてあげたんで」女は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...二杯――やっとの思いで二杯だけたべた...
正岡容 「小説 圓朝」
...やっとの思いで言ったように顔をそらしてしまった...
水野葉舟 「北国の人」
...こちらはやっとやっとの思いでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やっとの思いで隙(すき)を見つけて机の下から飛び出して...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...やっとの思いで夜が更(ふ)けて来て...
夢野久作 「狂人は笑う」
...そのうちにやっとの思いで眼を開ける事が出来ました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...キチガイのように暴(あ)れ狂い、哭(な)き喚(さけ)ぶアヤ子を、両腕にシッカリと抱(だ)き抱(かか)えて、身体(からだ)中血だらけになって、やっとの思いで、小舎(こや)の処へ帰って来ました...
夢野久作 「瓶詰地獄」
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