...やたらに部屋の整頓(せいとん)ばかりして...
太宰治 「正義と微笑」
...この「愛」という字をやたらに何にでもくっつけて...
太宰治 「チャンス」
...それだけ、ぼくより、無邪気(むじゃき)だったとも、言えますが、ぼくにしてみれば、彼が、あなた達、女子選手をいかにも、中性の化物らしく批評(ひひょう)し、「熊本や、内田の奴等(やつら)がなア」 と二言目には、あなた達が、村川に交際を求めるような口吻(こうふん)を弄(ろう)し、やたらに、写真を撮らしたり、ぼく達四人の交友を、針小棒大(しんしょうぼうだい)に言い触(ふ)らすのをきいては、癪(しゃく)に触(さわ)るやら、心配やら、はらはらして居(お)りました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...酒は飲みたくないけれど生水はうまい!・ことしも暮れるお墓を掃除する周二君に・けふはよばれてゆきますガソリンカーで・年の市のお猿さんやたらに踊らされてゐる・こゝろなぐさまずこゝまで来たが冬されの水湯田温泉・わいてたたへてあふれる湯の惜しむところなく・ぼんやり観てゐる冬山のかさなれるかたち十二月廿六日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...女房はやたらに叩くし...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...やたらにゆすってやった...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...やたらに断食や苦行を行なった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...やたらに貯蓄ばかりして...
豊島与志雄 「立枯れ」
...つまり徳川の政(まつりごと)が末なんだね」「なるほど」「何しろ公方様(くぼうさま)のお膝元で天誅や辻斬がやたらにあって...
中里介山 「大菩薩峠」
...滅多矢鱈(やたら)に本を読んだ...
中原中也 「我が生活」
...杓子(しゃくし)でもって飯と肉を矢鱈(やたら)に掻(か)き交(ま)ぜて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...川には川でやたらに魚がいますね...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...それにやたらに唾(つば)を飛ばしますから...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...引き下ると親分がやたら礼を言ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...なめくじばかりやたらにいる茅屋(ぼうおく)にいて...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...それをやたらに常人の上に濫用して...
柳田国男 「木綿以前の事」
...畜生――ッ」滅多やたらに空を切って...
吉川英治 「江戸三国志」
...やたらに人好きされた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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