...矢鱈(やたら)に短冊の書損ねを行つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...その兄が、その夏に、東京の同人雑誌なるものを、三十種類くらい持って来て、そうしてその頃はやりの、突如活字を大きくしたり、またわざと活字をさかさにしたり、謂(い)わば絵画的手法とでもいったようなものを取りいれた奇妙な作品に、やたらに興じて、「これからは、このような作品を理解できないと、文学を語る資格が無いのだ」というような意味の事を言って、私たちをおどかしたのである...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...やたらに涙を流していた...
太宰治 「帰去来」
...・歩いても歩いても(出ても戻つても)草ばかり・雑草やたらにひろがる肉体・てふてふとんでも何かありさうな昼・濡れて...
種田山頭火 「其中日記」
...水音の藪椿もう落ちてゐる水仙がおくれてやたらに咲きだした...
種田山頭火 「三八九雑記」
...やたらにそこいらじゅう...
豊島与志雄 「崖下の池」
...そして話がとぎれるのを心配しながらやたらに話しつづけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...やたらにはしごで...
豊島与志雄 「女客一週間」
...やたらにぽか/\煙草をふかしました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...仕方がありません」とやたらに顋(あご)を撫(な)で廻す...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...何でも漫(やたら)に其処に居る人達に辞儀をしたようだったが...
二葉亭四迷 「平凡」
...妄(やたら)に跳(は)ね廻(まは)りました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...やたらに刑罰を加えたりしてはなりません...
文部省 「あたらしい憲法のはなし」
...やたらにそれをする故に他の部面が御留守になり...
柳田國男 「書物を愛する道」
...「汽笛(ふえ)を鳴らすと矢鱈(やたら)にモノスゴイが...
夢野久作 「難船小僧」
...反骨の方はやたらにありすぎる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...やたらに日本を小さがるが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...やたらに辷(すべ)ったり転んだりしたものである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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