...女中酌の手を差控えて、銚子を、膝に、と真直(まっすぐ)に立てながら、「さあ、今あっちの座敷で、もう一人二人言うて、お掛けやしたが、喜野、芸妓(げいこ)さんはあったかな...
泉鏡花 「歌行燈」
...物置(ものお)きのまえなる栗(くり)の木のもとでそれを燃(も)やしている...
伊藤左千夫 「告げ人」
...はやし言葉のようなのが聞える...
梅崎春生 「幻化」
...あやしいやつがかくれていて...
江戸川乱歩 「大金塊」
...羽田稲荷なんて社(やしろ)は無かった...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...みんなきっと碌な返事はできやしない...
大杉栄 「獄中記」
...五十年の長い長い時間を費やして...
高神覚昇 「般若心経講義」
...ネルのキモノの袖口からくすぐつたい南風が吹いてくる日でしたわ」「そんなにいろんな過去をおぼえてゐたら生きてゐることがずゐぶん負擔になりやしませんか」「いやなことより好いことの方をよけいにおぼえてゐますもの」「そんなものですかねえ」カリンの花五月雨の降りつづく頃になると...
竹久夢二 「砂がき」
...とやら申しましてねえ」父はうやうやしく夫人に一礼すると...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...こんな汚いのして行けやしません...
外村繁 「澪標」
...何うしませうと――噛り付きやしませんがね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...楽な生活ができれば遠慮しやしないよ...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...その一点になると世間の人じゃない近くは内の御祖母(おばば)さんが怪(あやし)んで居ましょう...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...羽後由利郡下川大内(しもかわおおうち)村大字平岫(ひらぐき)に兵屋布(ひょうやしき)がある...
柳田國男 「地名の研究」
...ややしばらくして女中頭のお杉が出て来た...
山本周五郎 「花も刀も」
...阿佐ヶ谷囃子(ばやし)のおはやしの一人でして...
吉川英治 「江戸三国志」
...声までがもう夜叉(やしゃ)の叫びのように物凄くしゃがれているのである...
吉川英治 「親鸞」
...一代を費やして工夫しただけのものが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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