...やけくそで大部数発行の娯楽雑誌に書いてみると...
江戸川乱歩 「自作解説」
...左様、たしかに、やけくそです...
太宰治 「駈込み訴え」
...いや、僕もこんどの戦争では、ひどいめに遭(あ)いましてね、結婚してすぐ召集されて、やっと帰ってみると家は綺麗(きれい)に焼かれて、女房は留守中に生れた男の子と一緒に千葉県の女房の実家に避難していて、東京に呼び戻したくても住む家が無い、という現状ですからね、やむを得ず僕ひとり、そこの雑貨店の奥の三畳間を借りて自炊(じすい)生活ですよ、今夜は、ひとつ鳥鍋でも作って大ざけでも飲んでみようかと思って、こんな買物籠などぶらさげてマーケットをうろついていたというわけなんだが、やけくそですよ、もうこうなればね...
太宰治 「饗応夫人」
...私はやけくそで、突拍子ない時に大拍手をしてみたり、ろくに聞いてもいない癖に、然(しか)りとか何とか、矢鱈(やたら)に合槌打ってみたり、きっと皆は、あの隅のほうにいる酔っぱらいは薄汚いやつだ、と内心不快、嫌悪の情を覚え、顰蹙(ひんしゅく)なされていたに違いない...
太宰治 「善蔵を思う」
...」私は、もはや、やけくそで、ことさらに下品な口調で言って、「あれも、一種の地獄だあね...
太宰治 「春の盗賊」
...やけくそで、いっそ林銑十郎閣下のような大鬚(おおひげ)を生やしてみようかとさえ思う事もあるのだが、けれども、いまの此(こ)の、六畳四畳半三畳きりの小さい家の中で、鬚ばかり立派な大男が、うろうろしているのは、いかにも奇怪なものらしいから、それも断念せざるを得ない...
太宰治 「服装に就いて」
...なんと云うことだ」お杉はやけくそであった...
田中貢太郎 「春心」
...彼はやけくそで理窟をこねつづけた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...やけくそで、ぴょんぴょんと片脚で溝を飛んで煙草屋へ這入(はい)ると、「おおい啓ちゃん!」と、呼ぶ者があった...
林芙美子 「泣虫小僧」
...やけくそで抵抗したが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...どうして」「僕はやけくそで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
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