...やおら人中(ひとなか)から立ち上がると...
有島武郎 「或る女」
...左手(ゆんで)にやおら掻上(かきあ)げつつ...
泉鏡花 「海城発電」
...「艇長、電話です」三郎がいうと、地球儀のうえに筆をはこんでいた艇長は、やおら顔をあげ、「そうらしいね...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...お前さんは赤帽の親分だから、知ってるかも知れないが、毎日三時の汽車で一人ずつやって来て、いつも同じ男に出迎えられて行く女のお客さん達があるようだが、知ってるかい?」「ええ、知ってます」「どうだい、何かおかしなところがあるとは思わないかね?」そこで伝さんは弁当を置くと、口の中のものをゴクゴク呑み込んで、やおら向き直り、「大有りですとも...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...しばらくして、やおら御質問...
太宰治 「佐渡」
...浴衣に陣羽織の山崎老がやおら進み出て主人の原田に...
太宰治 「新釈諸国噺」
...やおら主人庄兵衛のえりがみとってその火焔車にほうりあげ...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...やおら立上がって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...やおら歌い出した都々逸二つ三つ...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...やおら尻端折(しりっぱしょ)りをした...
山本周五郎 「青べか物語」
...甲斐はやおら裏座敷へいった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...やおら身を屈(かが)めまして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...やおら白い眼と白い牙をむいて「何だ貴様は」という表現をします...
夢野久作 「鼻の表現」
...日本左衛門もやおら立ち上がッて...
吉川英治 「江戸三国志」
...やおら掻巻(かいまき)を刎(は)ねのけて...
吉川英治 「江戸三国志」
...やおら身を掻い起して...
吉川英治 「三国志」
...それから、やおら、仏(ほとけ)ずきな老婆が、野の石仏でも拝むような恰好で、具行の姿の前に、ぺったりと、ひれ伏した...
吉川英治 「私本太平記」
...やおら肩(かた)をはり...
吉川英治 「神州天馬侠」
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