...落城後(らくじょうご)私(わたくし)があの諸磯(もろいそ)の海辺(うみべ)に佗住居(わびずまい)をして居(い)た時分(じぶん)などは...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...なぜッて、宗山がその夜の中(うち)に、私に辱(はずかし)められたのを口惜(くや)しがって、傲慢(ごうまん)な奴だけに、ぴしりと、もろい折方、憤死してしまったんだ...
泉鏡花 「歌行燈」
...ああ奥さんもかわいそうだ」涙(なみだ)もろい西田(にしだ)は...
伊藤左千夫 「老獣医」
...心からすすりあげるほどのもろい情に打たれた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そんなことをいうと心細くなるよ」「地球人の生命はもろい...
海野十三 「怪星ガン」
...おれはどうしてこんなに涙もろいか...
太宰治 「お伽草紙」
...そうして所謂(いわゆる)人情には、もろい...
太宰治 「ろまん燈籠」
...あの五月のライラックの花よりもなおさわやかな貞節と温順と美とのもろい宝は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...なまじい意地があるとか、涙もろいとか、なんとかいうことで、抜けられず、深みにはまって行って、自暴(やけ)が自暴を産み、いよいよ抜きさしのならぬところへ進んで行くのではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...この涙もろい男は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...涙もろい奴だと笑われるぜ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...もろいコンクリートがレール上に落下した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...俺(わい)はそのほうがよっぽどおもろいね」いつもこんなことを独(ひと)りごちていた...
正岡容 「寄席」
...ナア」涙もろい二人は喜んで証書に印判を捺(お)したものであった...
夢野久作 「近世快人伝」
...涙もろい火星の女が...
夢野久作 「少女地獄」
...わたしも同じもろい鑿(のみ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...いかにも、もろい人間だと、自分でも合点はしている...
吉川英治 「江戸三国志」
...五情にもろい人間の子が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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