...元来(がんらい)私(わたくし)は涙(なみだ)もろい女(おんな)...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...きわめて涙もろい弱い気持ちがぴったり寄り添って拡がった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...一方にはきわめて消極的な涙もろい意気地(いくじ)ない絶望が漲るとともに...
田山花袋 「一兵卒」
...きわめて薄くもろいものだった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...薄いもろい物だった...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...就中継母は涙もろい方であったから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...枝にもろいその花はひとつとるとはばらばらといくつもいつしよに散つて地に落ちた...
中勘助 「銀の匙」
...あたしももろいねえ...
久生十蘭 「金狼」
...弱い、もろい、そして何かの手で気まぐれに作られた人間が生きて行くことに耐えて行くためには、誰しも実は、たいがい、そうではないのかしら?お前は、ただの人間だ...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...もろいものはもろいままで凋びてしまふ...
室生犀星 「はるあはれ」
...涙もろい同心が宰領してゆくことになると...
森鴎外 「高瀬舟」
...チョウのはねはもろいのに...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...只圓の通りに遣るのにはそれこそ死物狂いの気合を入れてまだ遠く及ばない事がわかって、その底知れぬ謹厳な芸力にヘトヘトになるまで降参させられ襟を正させられたものでした」◇牟田口利彦氏の話によると、翁は平生極めて気の弱い、涙もろい性分で、家庭百般の事について角立った口の利き方なんか滅多にしなかったが、それでも能の二三月前になると何となく眼の光りが冴えて来て、口の利き方が厳重になった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...わたしも同じもろい鑿(のみ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...友情にもろい男であり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「いうてくれるな」と、母は涙もろい...
吉川英治 「新書太閤記」
...情けないお姿になられたなあ」花和尚は涙もろい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...沢庵さんに縛られたあの時の様子や先刻(さっき)からの言葉を聞けば、この人は、涙もろい、気のよわい、情けの半面すら持っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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