...誰もあの壁側(かべぎは)に積んだ三十ばかりの総桐の箱には眼もやらなかつたのでございます...
芥川龍之介 「雛」
...同じことを六遍も八遍もやる...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...すでにこれ等の花が赤い靄(もや)のように見えるのに気がついていた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...火燵(こたつ)でもやるかな』などと言つて...
田山録弥 「初冬の記事」
...またもや力任せに叩きつけた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...雨と夜と飢えと不徳と欺瞞(ぎまん)と不正と裸体と窒息と厳冬などでできているこの広い灰色の靄(もや)の中を...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...諸君を相手に講演をするのもやはりその力のお蔭(かげ)かも知れません...
夏目漱石 「私の個人主義」
...どうかするとこの母家(おもや)にも入つたりして居ましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...単に動物の能力を上回るだけでなく人間の子どもや一般人の能力でさえ上回るような...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...同一の物を写生するに為山氏のは実物よりもやや丈高く画き不折君のは実物よりもやや丈低く画く...
正岡子規 「墨汁一滴」
...もう夕方の香りの有りそうなもやがかなり下りて川で洗われてしっとりとつやのある背の馬が思うままにのびた草を喰べながら小馬を後につれながら同じ池のふちを歩いて居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...「玉かづら絶えてもやまじ行く道のたむけの神もかけて誓はん命のございます間はあなた様に誠意をお見せします」などとも言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人類学は日本でもやっているように...
柳田國男 「地名の研究」
...彼は門七に金貸しもやらせていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...いまだ左程に疲れもやらぬ正午下(ひるさが)りの頃ほひより足の運び俄かに重くなりて...
夢野久作 「白くれない」
...ここしばしは、戦いもやめ、彼に静思のいとまを与えて然る後、それがしの書簡を送って、懇(ねんご)ろに、かつ真情をもって、敵の城主と家老をお説きあれば、おそくも年内には、落着を見ること疑いもない...
吉川英治 「新書太閤記」
...四落日の赤い靄(もや)のなかへ...
吉川英治 「源頼朝」
...凄い面(つら)がまえにも似もやらず...
吉川英治 「宮本武蔵」
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