...本はおのづからもの憂い影の中に沈みはじめた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...もの憂いパステルの心もちも佐藤君の散文の通りである...
芥川龍之介 「野人生計事」
...のみならずわたしの言葉にももの憂い返事をするだけだった...
芥川龍之介 「夢」
...別にすることもなくもの憂い日々を送りながら...
橘外男 「逗子物語」
...一つことの周りを堂々めぐりするだらだらともの憂い想念が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...時計までが時を刻むのに飽きて思い悩んでいるかに見えるあの長いもの憂い静かな宵を知り...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...つらいもの憂いもつらいもここはなぎさの一つ松ヨイトコ...
中里介山 「大菩薩峠」
...もの憂い目の色で...
久生十蘭 「あなたも私も」
...もの憂いような放心状態になった...
久生十蘭 「ひどい煙」
...港の方で鳴る船の汽笛も、寝ぼけたように、ひどく、もの憂い...
火野葦平 「花と龍」
...何かレクヰエム的な――もの憂いやうな...
堀辰雄 「伊勢物語など」
...すべてもの憂い考えのうちに数えられなければならない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もの憂い佗(わび)しさを訴えるかのように思えた...
山本周五郎 「竹柏記」
...新八は羽折をぬいで、袖だたみにしたのを、左の腕にかけ、もの憂いような、ぼんやりした顔をしていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...もの憂い心で新聞の頁を繰った...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
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