...殊に往来の人々の罪などと云うものを知らないように軽快に歩いているのは不快だった...
芥川竜之介 「歯車」
...5自分は未だインスピレーシヨンと云ふものを知らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...さう云ふ私には父親の愛と云ふものを知らない...
上村松園 「思ひ出」
...その酒の本当の効目(ききめ)というものを知らないのだから可笑(おか)しな話じゃないか」「それでは若(も)しや……」「まア聞けよ」と辻永は私を遮(さえぎ)った...
海野十三 「地獄街道」
...片側はまったく俳句というものを知らない人々の住する国...
高浜虚子 「俳句への道」
...怖いものを知らない者のすることです...
谷譲次 「踊る地平線」
...わたしの琴や三味線(しゃみせん)を褒(ほ)める人があるのはわたしというものを知らないからだ眼さえ見えたら自分は決して音曲の方へは行かなかったのにと常に検校に述懐(じゅっかい)したという...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...□私は恋といふものを知らない男である...
種田山頭火 「其中日記」
...風雪というものを知らない国があったとする...
寺田寅彦 「津浪と人間」
...生活というものを知らないのだ...
豊島与志雄 「病室の幻影」
...今度のは言語道断……恥というものを知らないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...経済というものを知らない...
中里介山 「大菩薩峠」
...身体のことなんか一向かまわないそういうひとたちの無茶苦茶な勉強ぶりというものを知らないわけではなかったが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...女心というものを知らないにもほどがあります...
久生十蘭 「魔都」
...それは先生がものを知らないというのではないが...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...少しも貧乏というものを知らない人間――というのは...
山本周五郎 「青べか物語」
...ものを知らない天皇なら我慢せずばなるまいと...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし君は俺というものを知らないのだ...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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