...おまけに木部は一日一日とものぐさになって...
有島武郎 「或る女」
...ものぐさなしのび雨よ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...かうした無感覚さと、ものぐささと、愚しさとの澱み滞つてゐる水のほとりにゐて、芹のみは早くも春の足音を気づいてみづみづしい新鮮な茎をそなたざまへとさし伸べてゐるのみか、芳烈な春の香を魚の腹のやうに冷えきつた葉つぱのひとつびとつに沁み徹らせてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...ずいぶんものぐさな格言ではあるが...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...口数が少く、ものぐさで、ひとを喰ったようなところがある...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...あのものぐさと敏感さとには...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...横田があの通り懶惰(ものぐさ)だから...
豊島与志雄 「反抗」
...物臭太郎(ものぐさたろう)あたりでお待ちなすって下さいまし」「物臭太郎とは?」「穂高の明神様の前のところでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...ものぐさそうに唇でせせりながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ものぐさからでもあつたらうが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...チューブ以上のものぐさ野郎だぞ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...切れ者ではあったが何かものぐさの気質があり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...寡黙なものぐさな冥想的な気分に誘われていったし...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...ものぐさというのでもないのだけれど...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寿江子のものぐさが夕飯に着物着かえて現れたという...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ひ弱でものぐさな男には労働が拷問である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それが懶惰(ものぐさ)そうに...
柳川春葉 「青銅鬼」
...日ごろ物臭(ものぐさ)な高氏をしても...
吉川英治 「私本太平記」
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