...根気(こん)のいいものだね」彼はものうげに...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...帆布をものうげにぱたぱたさせるのだった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...私はものうげにそのほうへ顔をむけた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...ものうげに眉をあげて檻の中をしずかに観察しはじめた...
太宰治 「逆行」
...ものうげに呟いた...
太宰治 「猿ヶ島」
...やがて牛乳を啜りながらものうげに食べはじめたとき...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ものうげに白い蝶々(ちょうちょう)が飛びかわしていた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...ものうげにからだを動かして...
新美南吉 「和太郎さんと牛」
...加野はものうげにコップを手に取つた...
林芙美子 「浮雲」
...眼玉の赤い男がものうげに振(ふ)り向いて口を開けた...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...ものうげに百合子の子供のやうな手を見てゐる...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...ものうげに封を切って読みはじめました...
平林初之輔 「祭の夜」
...ものうげに滑らかにやすらっているし...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...」と長いやつがこたえると、ものうげに、くるくるととぐろを巻いてやすんでしまいました...
室生犀星 「寂しき魚」
...溜息わが家には子守唄はたと止みつつひとびと物言はずものうげにうごくことなくただ溜息のみつききのふもけふも暮れけり...
室生犀星 「忘春詩集」
...わが器十分に長く太からざりしとせば彼女たちがものうげにそれを眺めたるも故なきにあらず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ものうげに説くところであります...
吉川英治 「江戸三国志」
...――吉保は、重秀が立ち帰ると、「ああ、ちと酔うた」と、ものうげに、両手をうしろへ落し、大廂(おおびさし)の外に、わが世の春を飾るがごとくある星を仰いで、大きく酔後(すいご)の息を吐いた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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