...根気(こん)のいいものだね」彼はものうげに...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...帆布をものうげにぱたぱたさせるのだった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...私はものうげにそのほうへ顔をむけた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...ものうげに呟いた...
太宰治 「猿ヶ島」
...ものうげに白い蝶々(ちょうちょう)が飛びかわしていた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...あるいはまだ長い眠りがさめきらないようにものうげに八対の足を動かしていた...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...ものうげに薄野原(すすきのはら)の中にとどめて...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中島敦 「河馬」
...ものうげにゆれている河面にゆめのような華彩の影をおとし...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...のそのそとものうげに垣根のそばの...
林芙美子 「浮雲」
...鏡の中の自分の顔をものうげに眺めてゐた...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...ものうげに百合子の子供のやうな手を見てゐる...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...」と長いやつがこたえると、ものうげに、くるくるととぐろを巻いてやすんでしまいました...
室生犀星 「寂しき魚」
...ものうげにいった...
室生犀星 「姫たちばな」
...ものうげに折々眠元朗を見戍(みまも)るだけだった...
室生犀星 「みずうみ」
...ものうげに立ちあがった...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ものうげに言っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...――吉保は、重秀が立ち帰ると、「ああ、ちと酔うた」と、ものうげに、両手をうしろへ落し、大廂(おおびさし)の外に、わが世の春を飾るがごとくある星を仰いで、大きく酔後(すいご)の息を吐いた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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