...ものうげに呟いた...
太宰治 「猿ヶ島」
...庭のねこがものうげに泣いた...
太宰治 「葉」
...再びものうげにソファへ倒れた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...やがて牛乳を啜りながらものうげに食べはじめたとき...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...彼等がものうげに動くたびにちりんちりんと鳴る小さな垂れ下っている飾物を身に著けていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...船の荷倉に折り重なって豚のように寝ているニグロの群れを映じてそれにものうげに悲しい鄙歌(ひなうた)を歌わせるのがあった...
寺田寅彦 「映画時代」
...そうしてものうげに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ものうげにゆれている河面にゆめのような華彩の影をおとし...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...眼玉の赤い男がものうげに振(ふ)り向いて口を開けた...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...四肢を拡げて机の上にものうげに寝そべっている...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...猫が、ちょっと眼をさましたが、すぐに、また、ものうげに、眠ってしまった...
火野葦平 「花と龍」
...それ自身の美しさをものうげに喜びながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...ものうげにいった...
室生犀星 「姫たちばな」
...溜息わが家には子守唄はたと止みつつひとびと物言はずものうげにうごくことなくただ溜息のみつききのふもけふも暮れけり...
室生犀星 「忘春詩集」
...わが器十分に長く太からざりしとせば彼女たちがものうげにそれを眺めたるも故なきにあらず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ものうげに説くところであります...
吉川英治 「江戸三国志」
...ものうげに倒れていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――吉保は、重秀が立ち帰ると、「ああ、ちと酔うた」と、ものうげに、両手をうしろへ落し、大廂(おおびさし)の外に、わが世の春を飾るがごとくある星を仰いで、大きく酔後(すいご)の息を吐いた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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