...手もとにはいささかの銭(ぜに)も残ってはいなかった...
有島武郎 「或る女」
...もと來た路を驅け出した...
石川啄木 「天鵞絨」
...頭の上に来かかつているお日様のもと...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...思ったほどの熟睡もとれず...
海野十三 「空中墳墓」
...お長は例の泣きだしそうな目もとで自分を仰ぐ...
鈴木三重吉 「千鳥」
...固(もと)よりこの通り無智のものでござりますから...
中里介山 「法然行伝」
...もとの通り嚴重に閉めきつて置くといふことは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自分で使つて居りました」「黒い元結(もとゆひ)は――こりや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大きな石塊(いしころ)が一つ彼の足もとへ飛んで来た...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...もともと母の遺伝であつた...
牧野信一 「好色夢」
...いつもと違うんです...
三好十郎 「冒した者」
...そしてわたしの耳もとで小言をいうのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...欅もともに截り斃されてしまうのは定っていた...
横光利一 「旅愁」
...「唯事でないとは心もとない...
吉川英治 「剣難女難」
...故主のもとへ立ち帰り申すであろう...
吉川英治 「三国志」
...すぐもとの街道へ送って放し還そうではないかと...
吉川英治 「三国志」
...とろけるような眼にとらわれた女の眼もとは茶わんの中の茶の揺れみたいに何とも危なッかしい春情気(いろけ)だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その間から濃紫(こむらさき)の龍膽(りんだう)の花が一もと二もと咲いてゐるなどもよくこの頃の心持を語つてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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