...その端が指輪の二つはまった大理石のような葉子の手にもてあそばれていた...
有島武郎 「或る女」
...悲しみにもてあそばれていました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「お墓の中の坊や」
...皮肉な運命にもてあそばれて商船としては見事落第した彼女がいまは工作船として――海底電線の敷設船として...
服部之総 「黒船前後」
...自分は三年もあの男にもてあそばれてゐたのだと思ふと...
林芙美子 「浮雲」
...メアリに会いに来たのはメアリがもてあそばれているからよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...波にもてあそばれて底知れぬ水底へ沈んでゆく心地がした...
牧野信一 「南風譜」
...灰色に光つてゐる砂地に風にもてあそばれてゐる風呂敷のやうなものが四つも五つも切りに堂々廻りをしてゐるので...
牧野信一 「雪景色」
...恰もゑんゑんたる春の波にもてあそばれて...
牧野信一 「浪曼的月評」
...自分の弾いた楽器も宮の合わせてくだすったものもそのままで二人の女性にもてあそばれているであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一すじの藁みたいに奔濤の霧風にもてあそばれて舞い落ちてしまうに過ぎない...
吉川英治 「三国志」
...風にもてあそばれてそこを去って行くような藤夜叉の影だった...
吉川英治 「私本太平記」
...水勢(すいせい)にもてあそばれてうかんでいる...
吉川英治 「神州天馬侠」
...まんまと口上手な劉(りゅう)夫妻の甘言にもてあそばれていやがった」黄信は自分の頭を叩いて悔(く)やみぬいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...生(しょう)を願うては煩悩の濁海にもてあそばれているのみ...
吉川英治 「親鸞」
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