...もっとも目録(もくろく)以下のものの勝負だけを見届けたのでございまする...
芥川龍之介 「三右衛門の罪」
...私が、何も……あの、もっとも、私に逢おうとおっしゃって下すったのではござんせんが、」となぜか、怨めしそうな、しかも優(やさし)い目で瞻(みまも)って、「私は何も、そんな者じゃありませんのに...
泉鏡花 「婦系図」
...――『そりゃア御もっとも』と返事をすると...
岩野泡鳴 「耽溺」
...いや、そんなことよりも、にせの小林は、もっともっと、おそろしい悪事をはたらいているかもしれないよ...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...クロの著作の中でももっとも広く読まれている...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...と考えると一応はもっともらしく聞こえる...
寺田寅彦 「自由画稿」
...もっとも天気予報というもののほんとうの意味や価値はとかく誤解されがちであって...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...もっとも、こういう人が世の中に一人もなくなってしまったら、世の中にけんかというものもなくなり、国と国との間に戦争というものもなくなってしまうかもしれない...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...事物とのもっとも微細な接触だけで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もっとも構成の合理性やトリックを論ずるものではなく...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...もっともそのとき家の中では...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もっともらしい言い訳が利かなくなりますからな」「一理ありますね」「もちろん...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...もっとも実情に即する判断であった...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...どきっとするほどそれがもっとも自然であり...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...もっともだという表情もみえなかった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...もっとも最初のうちは三太郎君も...
夢野久作 「卵」
...もっともあのソプラノを一パイに張切ると持って生れた放浪的な哀調がニジミ出る...
夢野久作 「二重心臓」
...もっとも八歳ぐらいまでは...
吉川英治 「私本太平記」
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