...もっとも今日の失敗は必ずしも俺の罪ばかりではない...
芥川龍之介 「馬の脚」
...もっともどのくらいの美人だったか...
芥川龍之介 「温泉だより」
...もっともまだまだもっと古いほとんど五万年も昔の文化の遺跡が...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...昨日(きのう)の公判廷と同じような顔触れが揃ったんです……もっとも菱沼さんはひどくそわそわして辺りを見廻してばかりいましたがね……ところが...
大阪圭吉 「あやつり裁判」
...もっとも忠実な助言者であり相談相手である...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...「実は、わたくしとフョードル・パーヴロヴィッチとのあいだに、一つ秘密があるのです、御承知でもございましょうが(たぶん御承知でございましょうね)、旦那はこの三、四日、夜になると、いえ、早い時には宵の口から、部屋の内側から扉に鍵をおろしておしまいになります、もっとも、あなたはこのごろでは、毎日早く、二階の居間へ引っこんでおしまいになりますし、昨日はまるでどこへもおいでになりませんでしたから、おおかた御存じないかもしれませんが、旦那はこのごろ夜になると、念入りに戸締まりをなさるのでございます、それでグリゴリイ・ワシーリエヴィッチが行っても、声が確かにそうだとわからないあいだは、けっして扉をおあけになりません、ところで、グリゴリイ・ワシーリエヴィッチはあんまり来ませんから、今のところお居間のお世話をするのは、わたくし一人でございます――これはアグラフェーナ・アレクサンドロヴナの悶着(もんちゃく)が始まって以来、旦那が御自身でお決めになった手はずです、しかし夜になると、わたくしは旦那の言いつけで、傍屋(はなれ)のほうへさがってやすみますが、それでも夜半ごろまでは寝ずに、ときどき起きては庭を見回って、アグラフェーナ・アレクサンドロヴナのおいでを待ち受けていなくてはなりません、なにしろ旦那はこの二、三日というもの、まるで気ちがいのように、あの女を待ちきっておいでなんですから、旦那のお考えでは、あの女はお兄さんを、ドミトリイ・フョードロヴィッチを(旦那はいつもミーチカとおっしゃってですが)こわがっているから、夜もよっぽど遅くなってから、裏道を通ってお見えになるに違いない...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...近代のもっとも寛仁な民衆運動たるこの革命の仕事であるようだった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...もっとも信仰の薄い人々でもすぐに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もっともそういう話は...
中谷宇吉郎 「語呂の論理」
...もっともだれでも...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...もっとも、これらは崩壊と言ってよいかどうかちょっと判らないような程度のものではありますが...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...あの幼ない妹にそそぐべき愛はあれよりももっともっと沢山あったのではあるまいか...
宮本百合子 「悲しめる心」
...もっともっと有るような気がしていたそれは幼い少女の...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...もっともこの時代になっては管理人とはいうものの...
柳田國男 「名字の話」
...もっともこうした状態は私ばかりではなかった...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...「ごもっともでござります」民部も軍扇(ぐんせん)を膝(ひざ)について...
吉川英治 「神州天馬侠」
...秀吉は、笑って、「いや、もっともだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...もっとも常に足拵(ごしら)えがよければそんな患いもないのだが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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