...何度も海の底へ潜(もぐ)るんですからね...
芥川龍之介 「海のほとり」
...裸で寢るのは藁にもぐつて寢ない町の人でも同じことださうです...
江南文三 「佐渡が島から」
...浜町(はまちょう)や蔵前(くらまえ)あたりの川岸(かわぎし)で、火におわれて、いかだの上なぞへとびこんだ人々の中には、夜(よ)どおし火の風をあびつづけて、生きた思いもなく、こごまっていた人もあり、中にはくびのあたりまで水につかって、火の子が来るともぐりこみ、もぐりこみして、七、八時間も立ちつづけていた人もあったそうです...
鈴木三重吉 「大震火災記」
...」飛騨はパンをもぐもぐ噛みかへしつつ口をはさんだ...
太宰治 「道化の華」
...ソオファの下にもぐり込んだり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...定めし雨に打たれて叢(くさむら)へもぐり込んだり...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...六羽陽を飽(あ)き雨の享楽を恋ふ緑◆八月一日夕刊「北国柳壇」土木の葉となり木の葉土と成(なる)枯木を拾って焚(た)けば灰白し◆八月五日発行『影像』三十号一二文明の私生児トッカピンニズムみゝずもぐれど知らぬ地の深み恋ざめて過去の背中に夢を彫る老ひぼれた地球の皺に人の巣太陽の注射...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...人の腰の下から潜(もぐ)るようにして見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...何もぐずぐずしているこたあねえだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...花の中にもぐっている(はなもぐり)という...
槇本楠郎 「月夜のかくれんぼ」
...秋風ぞ吹く一一文無しで大阪へ帰ってきてすぐその晩からどこかの寄席へもぐり込めるものと高をくくっていた二人にとって大当て外れの事件が起こっていたのだった...
正岡容 「寄席」
...頬張つた飯を不器用にもぐもぐ噛みながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...蚤やもぐらと同様に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ただ口をもぐもぐしているよりほかはないみたいなのである...
山之口貘 「詩とはなにか」
...牀(とこ)を敷いて蒲団の中へもぐり込んでも安眠が出来ない...
吉江喬松 「五月雨」
...積(つ)んであるワラ山へ無我夢中(むがむちゅう)でもぐりこむ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...帳(ちょう)の内へもぐり込んで...
吉川英治 「新・水滸伝」
...米良は再び寝床の中にもぐると...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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