...薯蕷(じねんじやう)掘(ほ)る九州(きうしゆう)の山奥(やまおく)に到(いた)るまで石版画(せきばんゑ)と赤本(あかほん)は見(み)ざるの地(ち)なしと鼻(はな)うごめかして文学(ぶんがく)の功徳(くどく)無量広大(むりやうくわうだい)なるを説(と)く当世男(たうせいをとこ)殆(ほと)んど門並(かどなみ)なり...
三文字屋金平 「為文学者経」
...いま排他的に社交界めかして舞台しているのである...
谷譲次 「踊る地平線」
...黒い髪のただ中に黄の勝った大きなリボンの蝶(ちょう)を颯(さっ)とひらめかして...
夏目漱石 「野分」
...彼はこの答案を稲妻(いなずま)のごとく頭の奥に閃(ひら)めかして...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...秘密の匂いをほのめかしてくれるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...君の欠勤の理由はあれだろうとほのめかして聞かせてくれはしたが――つまり最近君にまかせた回収金のことだ――...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...われともなく心をときめかして...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...後にお神さんも一帳羅を着てめかしていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...圓右の場合はもっと芝居めかして「まだ貴方...
正岡容 「我が圓朝研究」
...草っぱのやうに露をきらめかして...
宮沢賢治 「気のいい火山弾」
...印象が深められずに逸走してしまう作家として苦しい瞬間のあることをほのめかしている...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...もう一度昔を今にする工夫(くふう)はないかということを常に思うとほのめかして次第に暗くなっていくころまで帰ろうとしない客に中の君は迷惑を覚えて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...正面からではないが薫がほのめかして来たことで浮舟(うきふね)の煩悶はまたふえた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もう顔など知っておいでになったかもしれません」などと少しほのめかして薫は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「この少年に持たせてやります手紙に彼女の昔の知人のことをほのめかしておいてください」と薫が言ったので...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...平常の怠りない用意をほのめかして掌(たなごころ)を指すように語った...
吉川英治 「三国志」
...風流めかしてはおいででも...
吉川英治 「私本太平記」
...という虚勢をその一致者へ仄(ほの)めかしておく...
吉川英治 「新書太閤記」
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