...學院(がくゐん)に遣(つか)はして子弟(してい)に件(ともな)はしむれば...
泉鏡花 「花間文字」
...おしはかるだに、その性(さが)の恐しときく荒神(あらがみ)も御気色(みけしき)いとゞ麗はしく在(いま)すが如くおもほえて、御手(みて)にはわれが心(しん)の臓(ぞう)、御腕(おんかひな)には貴(あて)やかにあえかの君の寝姿(ねすがた)を、衣(きぬ)うちかけて、かい抱(いだ)き、やをら動かし、交睫(まどろみ)の醒(さ)めたるほどに心(しん)の臓(ぞう)、さゝげ進むれば、かの君も恐る恐るに聞(きこ)しけり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...西英對譯辭書をもとむれど得ず...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...ししの群(むれ)一穴穂王(あなほのみこ)は...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...「ねむれた?」無心にたずねるKの眼は...
太宰治 「秋風記」
...今夜はよくねむれた...
種田山頭火 「其中日記」
...思い入りてながむれば...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...羊のむれは、しずかに草をたべています...
豊島与志雄 「銀の笛と金の毛皮」
...空には一群(ひとむれ)/\の小鳥が輪を作ツて南の方へ飛んで行き...
永井荷風 「里の今昔」
...かくれたるにやとあなぐりもとむれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...たくさんのからすがむれて...
新美南吉 「屁」
...お蘭は靜かにさし寄りていざと藥をすゝむれば...
一葉 「暗夜」
...追憶の映像がむれをなして...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...もしも読者が子供達の群(むれ)に目をやったならば...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...鯉の味噌汁を産婦に飲ましむれば乳の量を増すと称するは鯉も味噌汁も共に滋養多ければなり...
村井弦斎 「食道楽」
...大寺(おほてら)の屋根に鳩(はと)のむれは羽羽(はば)たき...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...しみじみと水を凝視むるうつくしき黒瞳にも寂しさの浮くかなしみの世界より来し人のごと会へばよく泣く君なりしかな頬を濡らし袂を濡らしわが膝を濡らす涙は秋雨に似るたはむれに涙の文と名づけたる君がかなしき狭斜消息かにかくにわれら酔へるが如くゐぬさいはひに酔ひ悲みに酔ひ解脱処女作「笛」を出品したその翌年の秋の展覧会には...
吉井勇 「酔狂録」
...甘えたり戯むれたりしてゐる...
吉川英治 「折々の記」
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