...立寄る客なく、通りも途絶えた所在なさに、何心なく、じっと見た若い女房が、遠く向うから、その舌で、頬を触るように思われたので、むずむずして、顔を振ると、短冊が軽く揺れる...
泉鏡花 「薄紅梅」
...開けたくて指をむずむずさせていたようだった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...終(つい)には咽喉(のど)の辺(あた)りまでがむずむずして来(く)るような感(かん)じがして来(き)た...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...何だかむずむずして来る...
中谷宇吉郎 「画業二十年」
...足の甲がまたむずむずする...
夏目漱石 「坑夫」
...何だか考えると身体がむずむずするようだ...
夏目漱石 「野分」
...唇がむずむずと動く...
夏目漱石 「倫敦塔」
...今において一工夫(ひとくふう)しておかんとしまいにはむずむず...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...むずむずしている...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...ちょっとでも山や効果を作り出すことができるかね――血がいかがわしくむずむずして...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...というむずむずした表情をして傍に立っていました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...むずむずと這い出るような二疋の生きものの絵を...
室生犀星 「香爐を盗む」
...こうして拝見していると胸の奥のほうがむずむずするような...
山本周五郎 「百足ちがい」
...むずむずして云った...
吉川英治 「三国志」
...むずむずと、袂の内から取出したものを、枕元の一穂(すい)の灯にかざしながら、横になったままで、飽くなく見入っていたのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...顔をも赤めたいようにむずむずしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...まだむずむずしているようだった...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...「蟻が這(は)っているように」むずむずする...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
便利!手書き漢字入力検索