...左掌で地面を掻きむしる様にして...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...バリバリバリバリと羽目板か天井をかきむしるような音をさいごに...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...夫の体掻(か)きむしるように揺(ゆ)さ振(ぶ)りました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...これに出て来るライオネル・バリモアーの役が湿疹(しっしん)に悩まされていることになっていてむやみにからだじゅうをかきむしる...
寺田寅彦 「破片」
...世に人の腸を掻きむしる声はない...
中里介山 「大菩薩峠」
...棚板を爪で掻(か)きむしる音ががりがりと聞える...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...引きむしるやうに棺の白絹を剥ぐと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その手で髪の毛をむしる癖...
林芙美子 「浮雲」
...両手で胸のあたりを掻きむしるような真似をして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...膃肭獣は腸を掻きむしるような悲しげな声で泣きたてた...
久生十蘭 「海豹島」
...玄石の肺腑(はいふ)を熊手で掻きむしるようだった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...私の心を今でもかきむしるのは私のもう一つの名をつけて呉れたのはこの妹である事である...
宮本百合子 「悲しめる心」
...どの一片(ひら)もむしることは出来ないのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ギャーッ! (両手で自分のノドをかきむしる)た...
三好十郎 「胎内」
...バイドク! (左手で花岡の顔をかきむしる)花岡 インバイめ――! (またなぐる)村子 チ...
三好十郎 「胎内」
...九伊庭孝君が今一つ指摘してくれられたのは、第一部でグレエトヘンが花占をする時、花弁をむしる、あの花弁である...
森鴎外 「不苦心談」
...あなたが掻きむしるそのゆたかな金髪でもなければ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...君とエルネスチイヌ姉さんが羽根をむしるんだぜ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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