...皆この鬢をむしるのを...
芥川龍之介 「忠義」
...涙で鼻がつまって6ピチャピチャ……急に足音が高くなり行列が騒がしくなった俺達は胸を張って工場に入ってった俺達はプロレタリアだぜ!7眼の底に染みついた頭の心に焼きついたこの五つの文字――それが胸の中を引掻きむしる8お出でなすったな...
上田進 「横顔」
...両手で掻(か)きむしるのだった...
海野十三 「恐しき通夜」
...われとわが咽喉を掻(か)きむしるようにして...
海野十三 「空襲葬送曲」
...四つの足ではひながらもときどきうすい爪でものをかきむしる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...毎日手をむしるような思いで春を待ったのであった...
壺井栄 「大根の葉」
...ついでに柔らかい銀杏(いちょう)の若葉を吹きむしることがあるが...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...これに出て来るライオネル・バリモアーの役が湿疹(しっしん)に悩まされていることになっていてむやみにからだじゅうをかきむしる...
寺田寅彦 「破片」
...こうなると気の毒でも雑草のほうはむしるよりほかはない事になる...
寺田寅彦 「路傍の草」
...指先でむしるのももどかしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その手で髪の毛をむしる癖...
林芙美子 「浮雲」
...膃肭獣は腸を掻きむしるような悲しげな声で泣きたてた...
久生十蘭 「海豹島」
...」おれの前髪をひきむしるなんて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...全身を掻きむしるのだとも言ひ...
北條民雄 「間木老人」
...決闘を挑(いど)むしるしである...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...夢の中までもわれとわが身をかきむしるのはそれほど好きでも死んでもいいと思っていたあの人に私が私をあげなかった事だ...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...弁を一枚一枚むしる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...脱皮を掻きむしるナポレオンの爪音だけが呟くようにぼりぼりと聞えていた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
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