...学者はむしゃくしゃしてきました...
アンデルセン 楠山正雄訳 「影」
...省作は眠そうな目をむしゃくしゃさせながら...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...やはりむしゃくしゃしていた...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...むしゃくしゃしながら自分の部屋へかえった...
海野十三 「太平洋魔城」
...一昨日以来頭がむしゃくしゃしちまって...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...彼はむしゃくしゃして来るのだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...聞いているだけでむしゃくしゃと癇癪(かんしゃく)が起きて来るのだったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...今もむしゃくしゃしてきた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...お増はむしゃくしゃしたように...
徳田秋声 「爛」
...気がむしゃくしゃしてきた...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...」わたくしはむしゃくしゃして...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...むしゃくしゃに腹を立てたのは無理がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日は朝からむしゃくしゃしてたまらないところだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ、むしゃくしゃと、そう感憤激昂して、水戸を毛嫌いしている――こういうむしゃくしゃ腹で、薬王寺前あたりへ来た時に、どんと無遠慮に神尾の前半にぶつかったものがありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...揚句のはてに来たものは前よりも多い借金の証文と悪口であるだけでもむしゃくしゃするのに...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...むしゃくしゃして大きな安楽(あんらく)いすにこしをおろしました...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「ならずもの」
...何日(いつ)だったか、一寸(ちょっと)忘れたが、或(ある)冬の夜のこと、私は小石川区金富町(こいしかわくきんとみちょう)の石橋思案(いしばししあん)氏の家(うち)を訪れて、其処(そこ)を辞したのは、最早(もう)十一時頃だ、非常に真暗(まっくら)な晩なので、全く鼻を撮(つま)まれても解らないほどであった、ふいと私は氏の門を出て、四五間(けん)行くと、その細い横町の先方(さき)から、低く草履(ぞうり)の音がして、道の片隅(かたすみ)を来るものがある、私は手に巻煙草(まきたばこ)を持っていたので、漸々(ようよう)二人が近寄って遂(つい)に通過(とおりす)ぎる途端、私は思わずその煙草(たばこ)を一服強く吸った拍子に、その火でその人の横顔を一寸(ちょいと)見ると驚いた、その蒼褪(あおざめ)た顔といったら、到底(とうてい)人間の顔とは思われない、普通病気などで蒼褪(あおざめ)るような分(ぶん)ではない、それは恰(あだか)も緑青(ろくしょう)を塗ったとでもいおうか、まるで青銅(からかね)が錆(さび)たような顔で、男ではあったが、頭髪(かみのけ)が長く延びて、それが懶惰(ものぐさ)そうに、むしゃくしゃと、顔のあたりに垂れているのであった、私はそれを見ると、突然何かに襲われた様に、慄然(ぞっ)として、五六間(けん)は大跨(おおまた)に足取(あしどり)も頗(すこぶ)る確(たしか)に歩いたが、何か後方(うしろ)から引付(ひきつ)けられるような気がしたので、それから先は、後方(うしろ)をも振向(ふりむ)かず、一散走(いつさんばし)りに夢中で駈出(かけだ)したが、その横町を出ると、すぐ其処(そこ)が金剛寺坂(こんごうじざか)という坂なので、私はもう一生懸命にその坂を中途まで下りて来ると、その時刻にまだ起きていた例の「涙寿(なみだす)し」の前(まえ)まで来て、やっと一息ついて、立止(たちどま)ったが、後方(うしろ)を見ると、もう何者も見えないので、やれ安心と思って漸(ようや)くに帰宅をした、これは或(あるい)は私の幻覚であったかもしれぬが、その蒼褪(あおざめ)た顔の凄さといったら、その当時始終(しじゅう)眼先(めさき)にちらついていて、仕方が無かったが、全く怖い目に会ったのであった...
柳川春葉 「青銅鬼」
...「どうも腹が立ってむしゃくしゃしてるんだ...
横光利一 「旅愁」
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