...あんまりむさいものですから...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...」新調の軍服10・25(夕)ぢぢむさい蛹(さなぎ)が化けて羽の黄(きい)ろい足長蜂となると...
薄田泣菫 「茶話」
...應援團長といふのがあつて、わざと汚い恰好で日の丸の扇子などを持ち、校庭の隅の小高い岡にのぼつて演説をすれば、生徒たちはその團長の姿を、むさい、むさい、と言つて喜ぶのである...
太宰治 「思ひ出」
...むさい所ではあるけれども...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...じじむさい感じのする顔なのである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...○ひなたをあゆむ――ぢぢむさいけれど...
種田山頭火 「其中日記」
...一足の古靴(ふるぐつ)の選定にはじじむさい乞食(こじき)の群れを気長く物色することも必要になるであろう...
寺田寅彦 「映画芸術」
...それらの書物を通して見た老子は妙にじじむさいばかりか...
寺田寅彦 「変った話」
...せっかくのステッキもただのじじむさい杖になってしまう...
寺田寅彦 「ステッキ」
...ちょっと見た時にはかつて夏目先生が云われたじじむさいような点や...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...だんだん眺めていればいるほど前にじじむさいと思ったところや不合理と感じた事は何でもなくなって...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...仕上げの足りないという事やじじむさいという事は自分の要求するような意味の創作というものにはあるいはむしろ避くべからざる附き物ではないかと思う...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...じじむさいような木石の布置(たたずまい)が...
徳田秋声 「挿話」
...あんまりじじむさい風も見せたくないよ...
永井荷風 「雪解」
...大江戸の真中へ抛(ほう)り出して置いても拾い手のなかったじじむさい親爺が...
中里介山 「大菩薩峠」
...やがてこの身もあの下郎とあまり変らぬむさいものとなるにきまっている――と...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...実父稲葉一夢斎(いなばいちむさい)と共に骨董店を開いた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...若い者のなかには己たちよりじじむさい考え方をするやつが出はじめた...
山本周五郎 「新潮記」
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