...ふいに白いむく犬になって...
鈴木三重吉 「黄金鳥」
...さっきのむく犬が...
鈴木三重吉 「黄金鳥」
...よぼよぼのむく犬もいた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...死ぬまでむく犬のようにうろうろして不安ばかりだ...
夏目漱石 「虞美人草」
...白い歯をむく犬を目がけて襲いかかった...
久生十蘭 「魔都」
...裏庭に遊んでいるむく犬も...
ペロー Perrault 楠山正雄訳 「眠る森のお姫さま」
...白のむく犬のほうに手をさしのべた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...ご臨席(りんせき)の貴賓諸君(きひんしょくん)に一座(いちざ)のものをご紹介(しょうかい)申しあげる光栄(こうえい)を有せられるでしょう」このまぎわまでぴくりとも動かなかった白のむく犬が...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...黒いむく犬のように...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...こちらは、軽業お初、松枝町角屋敷の塀を刎(は)ね越して出ると、そのまま、程遠からぬわが侘住居(わびずまい)――表は、磨(みが)き格子(ごうし)の入口もなまめかしく、さもおかこい者じみてひっそりと、住みよげな家なのだが、そこに戻って来ると、「婆や、何か見つくろって、一本おつけよ」と、いくらか、突ッけんどんにいい捨てて、「おや、姐(ねえ)さん、もうお帰り」と、けげんそうに、這い出して来た、例の、ずんぐり者の、むく犬の吉に、「余計なこと! 勝手なところをぞめいておいで――」と、紙にひねったのを投げてやって、茶の間にはいって、ぴたりと、襖(ふすま)を閉ざしてしまった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...むく犬の吉、ペロリと舌を出して、――だから、いわねえこっちゃあねえ――松枝町の角屋敷、なかなか七面倒な場所なんだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「は、は、は、むく犬、大した気合だな、度胸だな、機嫌だな? 俺だ――わからねえか? 久しぶりだの――」吉原かぶりを、解いて、突き出すようにした顔――その浅黒い、きりっと苦味ばしった、目の切れの鋭い、その顔を、むく犬は、一瞥(いちべつ)すると、ぎょっとしたように、「へえ――こりゃあ!」と、叫んだが、また、ひどく、なつかしくもあるように、「まあ、何と珍しい――どうした風の吹きまわしで――親分、あっしゃあ、合わせる顔はねえのだが――」と、いいざま、土間に、殆(ほと)んどはだしではね下りて、びっくりする婆やには見向きもせず、格子の止め釘をはずして、ガラリとあけて、「あねはんはいませんが、さあ、ずっと、お上んなすって――」「そうか、じゃあ、けえるまで、またせて貰おうか――実は、ちっと、姐御(あねご)と、折り入って、話があってな――」闇太郎、手拭で、裾を、パンパンと叩くと、吉の案内で、茶の間に通る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...むく犬なぞは眼中にない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...寧(むしろ)自由に野をのさばツて歩くむく犬(いぬ)になりたい...
三島霜川 「平民の娘」
...そこのむく犬はめたん子と仲よしだつた...
室生犀星 「めたん子傳」
...わたしのむく犬の毛を刈込みにおよこし下さい...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
...――「むく犬なんぞ一匹もおりはせんがな...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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