...みどりのきものを着つづけていたものな...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「ひこうかばん」
...嬰児(みどりご)も懐(なつ)くべく無量の愛の含まるる...
泉鏡花 「婦系図」
...馬場がみどりいろの派手な背廣服を着ていつの間にか私のうしろのはうに坐つてゐたのである...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...みどり色の光の輪も...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ねむい」
...碧色――三尺の春の野川(のがわ)の面(おも)に宿るあるか無きかの浅碧(あさみどり)から...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...些細(ささい)な不快はあの面白い遊びで癒(なお)ってしまいまする、さあさあ早く」「それでも、わたくしには歌が取れませぬ」「なんのまあ、お前様ほどの物識(ものし)りが」「いいえ、まだ百人一首の取り方も存じませぬ、左様(さよう)なお席へ出ましては、かえって失礼に存じまする故」女中たちは左右から、みどりの手を取り抱き上げんばかりにして、「殿様のお言いつけでござりまするぞ、そのような我儘(わがまま)は通りませぬ」一人が言えば、「ほんに、みどりさん、お前はいつもいつもこのような折は、不快じゃの不調法(ぶちょうほう)じゃの言いくるめて引込んでばかり...
中里介山 「大菩薩峠」
...鳥(とり)は赤(あか)と緑(みどり)の羽(はね)をして...
グリム 中島孤島訳 「杜松の樹」
...然(しか)しながら周圍(しうゐ)の何處(いづこ)にも活々(いき/\)した緑(みどり)は絶(た)えて目(め)に映(うつ)らなかつた...
長塚節 「土」
...鳥もうたう数万坪のみどりの盆地になって花のしたの小路をゆけば...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
......
萩原朔太郎 「青猫」
...情緒よながい憂鬱のながれを視てゐるとあまりに私の眺望もさびしくなるこの日もすでにくれがた人生の影ながき厭生哲學の書物をひらけばああはや いみじくも芽ぐみきたる感情の昂進よさばかり情愁のみどりをふくめばさびしき思想の倉庫をひらき重たき黒の冥想の頭巾をとりて歩まんいざや歩み行かな...
萩原朔太郎 「我れ何所へ行かん」
...庭先(にはさき)から美登利(みどり)さんと言(い)へば聞(きこ)える筈(はづ)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...美登利(みどり)さん呼(よ)んだつても來(き)はしないよ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...きゃしゃな体はうす青いみどりで...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...くるみはみどりのきんいろ...
宮沢賢治 「かしわばやしの夜」
...貴賤群集の巷(ちまた)に年経て住める茶舗美登利屋(みどりや)といふがあり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そこへやって来たのが呉虹汀(くれこうてい)の美登利屋坪太郎(みどりやつぼたろう)だ……こいつが又...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...伊吹の裾(すそ)はようやく春闌(はるた)けた早(さ)みどりの深みに駒鳥の高音(たかね)がやや肌さむいほどだった...
吉川英治 「私本太平記」
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