...そうしてこちらの水際(みぎわ)へ...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...きれいな歯並みが笑いのさざ波のように口びるの汀(みぎわ)に寄せたり返したりした...
有島武郎 「或る女」
...艫を海岸のほうに向けかえてだんだんと汀(みぎわ)に近寄って行く...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...どこか離れた汀(みぎわ)から同じ合言葉がくり返されるのが水面をつたわって聞こえてくる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...今拵えた花綵を池の水際(みぎわ)に浸していましたが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...彼は水際(みぎわ)におりるのを止(や)めて藤葛を見つめていたが...
田中貢太郎 「仙術修業」
...舟はすぐ楊柳の浅緑の葉の煙って見える水際(みぎわ)の沙(すな)にじゃりじゃりと音をさした...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...只今(ただいま)さやうの料理つかまつりてむやなどのたまふを秦(はた)のなにがしとかいふ御随身(みずいじん)高欄のもとちかく候ひけるがうけたまはりて池の汀(みぎわ)なるさゝを少ししきて白きよねを水に洗ひて奉れり...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...池の汀(みぎわ)について...
谷崎潤一郎 「秘密」
...彼方の叢(くさむら)や此方の汀(みぎわ)へ移って行った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...やはり夜明けごろに窓外の池の汀(みぎわ)で板片を叩くような音がする...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...汀(みぎわ)から岸の頂まで斜めに渡したコンクリートの細長い建造物も何の目的とも私には分らないだけにさらにそういう感じを助長した...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...川岸の汀(みぎわ)には人影もなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...九 死人と思わるるマリユスジャン・ヴァルジャンはマリユスを汀(みぎわ)の上にすべりおろした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...川の汀(みぎわ)についてる下水道の鉄格子口(てつごうしぐち)が開いた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...池の水を動かして波紋がゆらゆらと汀(みぎわ)の水草の根を揺(ゆす)っているのを見て...
中里介山 「大菩薩峠」
...私(わたくし)たちはそれを汀(みぎわ)まで持(も)って行って洗(あら)いそれからそっと新聞紙に包(つつ)みました...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...大股(おおまた)に浜辺の波際(なみぎわ)へ向って歩みだした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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