...倉地は暗闇(くらやみ)の中で長い間まんじりともせず大きな目を開いていたが...
有島武郎 「或る女」
...倉地は肩で激しく息気(いき)をつきながらいたましく取り乱した葉子の姿をまんじりとながめていた...
有島武郎 「或る女」
...いろんな事をまんじりと考へて...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...寝入ったように見えた師匠はまんじりともせずに聴いていてくれたのであるおよそかくのごとき逸話(いつわ)は枚挙に遑(いとま)なくあえて浄瑠璃の太夫や人形使いに限ったことではない生田(いくた)流の琴や三味線の伝授においても同様であったそれにこの方の師匠は大概(たいがい)盲人の検校であったから不具者の常として片意地な人が多く勢い苛酷(かこく)に走った傾(かたむ)きがないでもあるまい...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...まんじりともせずに考え明かした...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...彼はその晩まんじりともしないで...
豊島与志雄 「椎の木」
...翌(あく)る朝(あさ)までまんじりともしない様子であった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...まんじりともせずに明かしてしまいましたが――」お関の言うのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...到頭まんじりともしなかつたと申しますし」さういふうちに三人は部屋の入口に立つて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今朝までまんじりともせずに明かして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まんじりともしねえのださ...
林芙美子 「暗い花」
...彼はその夜は殆どまんじりともしないで妻のことを考え通していた...
堀辰雄 「菜穂子」
...卑しい妄想に病(なや)まされて到々明方までまんじりともしなかつた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...昨夜からまんじりともしないんだもの……堪まりやアしない...
牧野信一 「眠い一日」
...とばちりを受けて私まで(たれにもいいこそしないが)一晩中まんじりともしなかったとは! ははは...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...都のまン中に住みながら一夜もまんじりと寢られたことはありません...
吉川英治 「折々の記」
...まんじりともしなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それじゃいけないよ……まんじりともしないで...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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