...――男はそう云う幻(まぼろし)の中にも...
芥川龍之介 「母」
...まぼろしみたいなものですよ...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「雪の女王」
...まぼろしの中に見えた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...まぼろしを見るなんてことがあるもんか...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...往々(わう/\)幻想(まぼろし)を見(み)るのです...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...母ばかりを幻(まぼろし)に描いていたとは信じられない...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...一場の凄(すさま)じい光景が幻影(まぼろし)の如く映つたので...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...兩羽(もろは)鋭どくあまがける天馬の鞍に堪へかねて下界に落ちし塵の子(三)よ恨はあはれなれのみかまぼろし消て力なく今こそ咽べ我琴も...
土井晩翠 「天地有情」
...歳晩(さいばん)の雪の都会の浮世絵が幻(まぼろし)の如く眼の前に浮ぶ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...皆一瞬のまぼろしとは知れど虚無のさびしさには優るべし...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...他界の幻影(まぼろし)に接したと同様の心持になったのである...
夏目漱石 「坑夫」
...たしかにそこに蕩漾たる春のまぼろしの長酔極みなき紗窗の彼方に浮んでゐるのだ...
牧野信一 「湖の夢」
...大勢(おほぜい)の坊主が珠数繋(じゆずつなぎ)にせられる所を幻(まぼろし)に見ることがあつたが...
森鴎外 「大塩平八郎」
...四大(だい)の身(み)を惱(なや)ます病(やまひ)は幻(まぼろし)でございます...
森鴎外 「寒山拾得」
...それらは病人(やもうど)の夢に見らるる空なる夢まぼろしの如し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まだ眼に残る幻影(まぼろし)は...
夢野久作 「白髪小僧」
...夢まぼろしの如くなり...
吉川英治 「新書太閤記」
...あの虚無僧のまぼろしへ凭(もた)れている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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