...この幻影(まぼろし)譬(たと)えば月夜に水を這(は)う煙(けぶり)に似て...
泉鏡花 「活人形」
...幻影(まぼろし)かと思えば...
泉鏡花 「瓜の涙」
...まぼろしの豹は、またしても、煙のように消えうせました...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...往々(おうおう)幻想(まぼろし)を見(み)るのです...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...真夜中のまぼろしの影のすがたがもすそをかかげるのか...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...タチアナは、それから、神樣のみこころ、夢、おもかげ、囁き、憂愁、まぼろし、天使、ひとりぼつち、などといふ言葉を、おくめんもなく並べたててゐる...
太宰治 「猿面冠者」
...彼(かれ)の幻(まぼろし)が...
田中英光 「オリンポスの果実」
...まぼろしは戸棚(とだな)の前でとまる...
夏目漱石 「草枕」
...ウィリアムは幻影(まぼろし)の盾を翳(かざ)して戦う機会があれば……と思っている...
夏目漱石 「幻影の盾」
......
萩原朔太郎 「宿醉」
...心静かに木高い杉並辺には今なほ来鳴く武蔵野の冬の鶯を聞いてゐると鵠沼の松林がまぼろしに見える...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...例(れい)は波の音(おと)に唯(たゞ)聞き耽(ふけ)りて過ぎし日のまぼろしを追ふ頃を...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...高氏はふと“置文”のまぼろしを胸のうちに持ち悩んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...……で、やはりみ妃かな? と思っているうち、供奉(ぐぶ)の駒を曳いた公卿、輿(こし)を舁(か)いた雑色風(ぞうしきふう)の者などが二十数人、まぼろしか、影絵のように、どろどろと過ぎて、二条大路を北の方へたちまち消えた...
吉川英治 「私本太平記」
...世の流れのままにどんな毀誉褒貶(きよほうへん)もあの薄らあばたを幻(まぼろし)として地下に笑っておいであるに相違ございませぬ」×以上...
吉川英治 「私本太平記」
...いまの白鷺がまぼろしかと...
吉川英治 「神州天馬侠」
...夢まぼろしの如くなり...
吉川英治 「新書太閤記」
...古い歴史のまぼろしが明かに眼の前に現われて来る様な昂奮を覚えずにはいられなかった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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