...人家まばらに草茫々と目に遮(さえぎ)るものもないその頃の鳥越からは海が見えたかも知れぬが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...私の思い違いでしょうか」夫人は公園の入口のやや人足(ひとあし)のまばらになった所へ来ると...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...裏の方は根太板のままでそれに薄縁(うすべり)が処まばらに敷いてあった...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...松がまばらに生えてて……...
豊島与志雄 「潮風」
...まばらに見える漁師の家の屋根...
中里介山 「大菩薩峠」
...まばらまばらに立っていて...
中谷宇吉郎 「荒野の冬」
...弁慶橋(べんけいばし)で乗り換(か)えてからは、人もまばらに、雨も小降(こぶ)りになつた...
夏目漱石 「それから」
...人通りは殆どまばらになつてゐた...
北條民雄 「道化芝居」
...彼の病室の窓から眺められる南アルプスの山頂には雪が日毎(ひごと)にまばらになって行った...
堀辰雄 「恢復期」
...まばらになつて來(き)て...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...私は陽が極くまばらに散つてゐる朝の林の中へ靴音高く駆け込んだ...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...蒼白(あおじろ)い顔にまばらに髯(ひげ)の延びた陰影の多い表情の中に...
水上滝太郎 「遺産」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...一本ずつ数えられるほどまばらに...
山本周五郎 「青べか物語」
...向う岸の灯がまばらに...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...まばらになつてゐて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...雑草や小松がまばらに生(お)い...
吉川英治 「源頼朝」
...みすぼらしい頭髪がまばらにひょろひょろと渦を巻いている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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