...固(もと)からの耕地でない証(あかし)には破垣(やれがき)のまばらに残った水田(みずた)を熟(じっ)と闇夜に透かすと...
泉鏡花 「遺稿」
...……つくりものの幽霊を真中(まんなか)に、小按摩と連立って、お桂さんが白木の両ぐりを町に鳴すと、既に、まばらに、消えたのもあり、消えそうなのもある、軒提灯の蔭を、つかず離れず、欣七郎が護(まも)って行(ゆ)く...
泉鏡花 「怨霊借用」
...十軒余りの西洋館がまばらに立並んだ所を歩いていました...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...裏の方は根太板のままでそれに薄縁(うすべり)が処まばらに敷いてあった...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...松がまばらに生えてて……...
豊島与志雄 「潮風」
...まばらに見える茅葺(かやぶき)の家が...
中里介山 「大菩薩峠」
...まばらに灯影(ほかげ)のさしている家々の窓の光りに照らされて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まばらにある苔蒸した墓石に彫刻(てうこく)された銘を讀んでゐたのをも...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その昔美しかつた頭髪はまばらに抜け...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...次第に招待客がまばらになり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...場末の家まばらに建てられたれば青空は庭の外に拡がりて雲行き鳥翔(かけ)る様もいとゆたかに眺めらる...
正岡子規 「小園の記」
...そしてそれは極めてまばらに蒔かれるが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...区画整理した分譲地もそこここまばらに住む人が出来ただけで数年が経過していた...
宮本百合子 「犬三態」
...まばらに兵を配りて...
森鴎外 「文づかひ」
...まばらに毛の生えた...
山本周五郎 「桑の木物語」
...まばらに往来する人たちが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...夕顔の花のまばらに白い籬(まがき)の外の暗がりで...
吉川英治 「新書太閤記」
...みすぼらしい頭髪がまばらにひょろひょろと渦を巻いている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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