...その群がだん/\まばらになつて来て...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...斜面を下るにしたがってまばらになり...
梅崎春生 「日の果て」
...夜はまばらに立った青白い街燈のほかには燈火も見えず...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...もう人家もまばらになり...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...まばらに建っている中に...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...別にあとがまばらになったようにも見えないとこういう句意であってこれを俗語に訳してみると「……跡が格別まばらでもありませんでした」というくらいの意味であります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...それもまばらに生(は)えた老人が笑ってるのです...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...もうその辺(へん)は塀(へい)が生垣(いけがき)になっておりましたので父は生垣のすこしまばらになっている隙間(すきま)から中をのぞいてどういうわけか身うごきもせずにそのままそこをはなれないものでござりますからわたくしも葉と葉のあいだへ顔をあててのぞいてみましたら芝生(しばふ)や築山(つきやま)のあるたいそうな庭に泉水がたたえてありまして...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...まばらに立つた林の中からいくらか午後の日影に照された明るい空を仰ぐやうな形になつた...
田山録弥 「草道」
...とかくするうち東の空白み渡りて茜(あかね)の一抹(いちまつ)と共に星の光まばらになり...
寺田寅彦 「東上記」
...長屋は追々まばらになつて...
永井荷風 「里の今昔」
...木立はいよ/\深くまばらに日の光を漏す處...
永井荷風 「十年振」
...寺院や武家屋敷の屋根が所まばらに見えるくらいのものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...暗鬱なる日かな天日(てんじつ)家竝の軒に低くして林の雜木まばらに伐られたり...
萩原朔太郎 「宿命」
...後ろには立ち木がまばらにある...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...一本ずつ数えられるほどまばらに...
山本周五郎 「青べか物語」
...――そこは赭土(あかつち)に雑草がまばらに枯れているだけで...
山本周五郎 「季節のない街」
...農家がまばらになり...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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