...まばらな齒を出して...
芥川龍之介 「偸盗」
...家並(やな)みのまばらな...
有島武郎 「或る女」
...そして森やまばらな木立に覆われた部落の不規則に連る地平へと消え込んで行っている...
犬田卯 「錦紗」
...人通りまばらなる舗道のうえを歩きだした...
海野十三 「第四次元の男」
...昔ふうの黒いシタミや白い壁や大きい栗の木や柿の木や井字形(せいじがた)の井戸側やまばらな生垣からは古い縁側(えんがわ)に低い廂(ひさし)...
田山花袋 「田舎教師」
...向こうのまばらな森の陰からは枯草(かれぐさ)を燃(も)やす煙(けむり)がところどころにあがった...
田山花袋 「田舎教師」
...燈火もまばらな、いな、窓さえもろくに目につかない町々、あらゆるもの、あらゆる場所のうつろな背景から出来ているような町々だ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...いきなり老人の両の鬢(びん)に残っているまばらな髪をひっつかんで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...門燈のまばらな薄暗い裏通りを...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...まばらな通行人の姿が肩をすくめていた...
豊島与志雄 「椎の木」
...まばらな乗客は皆黙ってぼんやり眼を開いていた...
豊島与志雄 「微笑」
...まばらなだけに一本ずつまだ見えた...
夏目漱石 「三四郎」
...まばらな木々を浮彫にして...
原民喜 「小さな庭」
...人家のまばらな郊外の方へ出て行く...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...其光線の鬢は白くまばらなので石膏細工の女かと思はれた...
正岡子規 「ラムプの影」
...松の木のまばらな...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...そのまばらな長髯(ちょうぜん)をしごいた...
吉川英治 「三国志」
...人かげまばらなあとにのこって...
吉川英治 「神州天馬侠」
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