...まばらな街燈の光も薄暗く...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...正造は津田と共に聴衆のまばらなうす暗い二階へ来て傍聴していた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...胡麻塩(ごましお)の長いまばらな顎髯(あごひげ)を生やしている...
田中貢太郎 「涼亭」
...左に従い来る山々山骨(さんこつ)黄色く現われてまばらなる小松ちびけたり...
寺田寅彦 「東上記」
...細かい灰色のまばらな髪が逆立っているのが湯げでも立っているように見えた...
寺田寅彦 「B教授の死」
...まばらな人家がその現在の人口を思わせ...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...花は数うべくまばらなるにも春の浅きは知られつべし...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...まばらな星がちらちらと輝いていた...
豊島与志雄 「過渡人」
...満月が無名樹のまばらな梢にかかって湖畔の岡の裾に霧が幔幕(まんまく)のようにひいている...
中勘助 「島守」
...まばらな孟宗藪(もうそうやぶ)がある...
夏目漱石 「三四郎」
...まばらな日射も夢のやうに止絶えて...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...不精髯のまばらな顏を睨むやうに見ながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...まばらな木が細長い影をつくっていた...
山川方夫 「箱の中のあなた」
...まばらな小雪であるが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そのまばらな長髯(ちょうぜん)をしごいた...
吉川英治 「三国志」
...人影まばらな周囲にたいし...
吉川英治 「新書太閤記」
...まばらな髯(ひげ)を城太郎の頬へ摺(す)りつけていう...
吉川英治 「宮本武蔵」
......
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??