...」十二時近い新橋停車場(ステイション)の、まばらな、陰気な構内も、冴返る高調子で、主税を呼懸けたのは、め組の惣助...
泉鏡花 「婦系図」
...やがて茶畑を折曲って、小家まばらな、場末の町へ、まだツンとした態度でずんずん入る...
泉鏡花 「婦系図」
...まばらな街燈の光も薄暗く...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...まばらな木立に囲まれた十坪程の平らな部分に...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...O町の例の家の側はまばらな竹垣になっていて...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...ふもとのほうから迎いに来た自動車の前面のガラス窓に降灰がまばらな絣模様(かすりもよう)を描いていた...
寺田寅彦 「小爆発二件」
...細かい灰色のまばらな髪が逆立っているのが湯げでも立っているように見えた...
寺田寅彦 「B教授の死」
...頂顱光りてまばらなる毛髮これが上に生ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...いきなり老人の両の鬢(びん)に残っているまばらな髪をひっつかんで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...不精髯のまばらな顏を睨むやうに見ながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...まばらな二人の拍手だけがひびいていた...
山川方夫 「その一年」
...お願いします」まばらな往来の人たちが立停り...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ひとかたまりまばらな毛が生えているのを見て...
山本周五郎 「やぶからし」
...人影まばらな周囲にたいし...
吉川英治 「新書太閤記」
...人もまばらな午(ひる)過ぎになると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...は」もう白髪(しらが)まじりのまばらな髯(ひげ)の中で...
吉川英治 「親鸞」
...まばらな雜木林となつてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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