...揺られながらにトロトロとまどろむとき...
井上円了 「おばけの正体」
...かれは母の乳ぶさにうとうととまどろむ嬰児(えいじ)の心を味わっていた...
江戸川乱歩 「影男」
...まどろむ間もなく...
大町桂月 「南洲留魂祠」
...その夜はあけがた近くになる迄まどろむ事が出來なかつたのである...
太宰治 「思ひ出」
...そのうちにうつらうつらまどろむのである...
太宰治 「猿面冠者」
...いゝ心地にづる/\とまどろむことが出來た...
近松秋江 「湖光島影」
...いつぞや妹と植えたらば夜昼の境にまどろむ黄昏の女神の夢のようにほのぼのと咲いた...
中勘助 「折紙」
...まどろむように横(よこた)わった草山のあちらこちらに落葉したのや黄葉しかけた灌木が小松の緑にまじってるのがちょうどいろいろの貴い毛皮をもった獣が自然に睦みあって草をくってるようにみえる...
中勘助 「島守」
...それで一睡もまどろむことなしに又山を越えて引つ返すのだといふ...
長塚節 「彌彦山」
...昔々母の懐中(ふところ)でまどろむやうな...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...うつつをぬかしてまどろむかとも思はれる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...やっと切れ切れにまどろむと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...彼女の声が嚶々として嫋娜かに響くだけで私はまどろむでゐるかのやうであつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...また旅の先ざきに胸さわぐあこがれをまどろむ人もあるだろう...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...一番の蒸汽のエキゾスがぽんぽんと鳴りだすまでほんのわずかしかまどろむ暇はない...
山本周五郎 「留さんとその女」
...露にまどろむ間に...
吉川英治 「上杉謙信」
...まどろむほどの間もないが...
吉川英治 「三国志」
...まどろむまもなく...
吉川英治 「私本太平記」
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