...月の光は まどろむも...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...かれは母の乳ぶさにうとうととまどろむ嬰児(えいじ)の心を味わっていた...
江戸川乱歩 「影男」
...醉ひしれてまどろむここち...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...まどろむ隙もなき程に夢にだにも逢い奉らず...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...まどろむともなく自分の小さな娘を夢みていることだけであった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...いつぞや妹と植えたらば夜昼の境にまどろむ黄昏の女神の夢のようにほのぼのと咲いた...
中勘助 「折紙」
...まどろむように横(よこた)わった草山のあちらこちらに落葉したのや黄葉しかけた灌木が小松の緑にまじってるのがちょうどいろいろの貴い毛皮をもった獣が自然に睦みあって草をくってるようにみえる...
中勘助 「島守」
...いつぞや妹と植えたらば夜昼の境にまどろむ黄昏(たそがれ)の女神の夢のようにほのぼのと咲いた...
中勘助 「小品四つ」
...私は聞き疲れてしばしまどろむ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...鈍い汽笛がまどろむやうに海面を掠めて...
「修道院の秋」
...昔々母の懐中(ふところ)でまどろむやうな...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...うつらうつらと夢心地、たのしき歌を聞きつつも、ただにまどろむ...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...夕暮れの空の下にひっそりとまどろむ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...少しばかりまどろむことは...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...彼女の声が嚶々として嫋娜かに響くだけで私はまどろむでゐるかのやうであつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...また旅の先ざきに胸さわぐあこがれをまどろむ人もあるだろう...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...まどろむほどの間もないが...
吉川英治 「三国志」
...後朝に昨夜の共寝の「夢のごとき」味わい足りなさをはかなみつつまどろむと...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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