...……芳(かんば)しい落葉の香のする日の影を、まともに吸って、くしゃみが出そうなのを獅噛面(しかみづら)で、(鋳掛……錠前の直し...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...まともの人間でさえ少し狂ったような気分になる...
太宰治 「斜陽」
...こんな話を聞かされて私たらずとも真正面(まとも)に信じ得る人間が幾人あったであろうか? 気品が高いとか眼鼻が整っているとかいうのならばともかくも...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...まともにぐいと見る勇気もなく――まあ言ってみれば...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...まともに話しかけこそしないが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...竜之助の方にまともに向って...
中里介山 「大菩薩峠」
...まるで鐵槌をいきなり眞面(まとも)から打ち降されたやうな詞に...
南部修太郎 「疑惑」
...木戸銭だってまともに払っちゃいないだろう」「冗談じゃありませんよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...神樣がまともな智惠を授けて下さるわけは無い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まともな返事をするはずがないと思って...
久生十蘭 「あなたも私も」
...まともには話しにくいことである...
火野葦平 「花と龍」
...たといまともに私の顔を見ても私さえだまっておれば...
平林初之輔 「秘密」
...彼等の顔をまともに見つめでもしようものなら...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...しばらくまともな生活は送れません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...まともな商売じゃないようだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...まともに口の上へ接吻したのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...この真理がまともに語られているではないか...
柳宗悦 「工藝の道」
...面談を避けるのは他に理由があるからだと思うのです」津多女は大学の顔をまともに見ながら聞いていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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