...玄関のなげしの所に照り返しをつけて置いてあるランプの光をまともに受けた愛子の顔を見ると...
有島武郎 「或る女」
...まともにつき合っておられますか...
太宰治 「黄村先生言行録」
...私は風を切って飛んで来たその重い物体を真正面(まとも)に身に受けて向うより先にこちらが仰(の)け反らなければならなかったであろう...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...こんなやつと真向(まとも)に口利くことないんだ...
林不忘 「安重根」
...家いつぱいに昇る日をまともに郵便を待つ・たづねてくれるみちの草だけは刈つておく・郵便やさんがきてゆけばまた虫のなくすこし風が出て畳へちつてくるのは萱の穂・ひとりひつび(マヽ)り竹の子竹になる・うれしいこともかなしいことも草しげる・生きたくもない雑草すずしくそよぐやあをあをと竹の子の皮ぬいでひかる・竹の子竹となつた皮ぬいだ・竹の子伸びるよとんぼがとまる七月二日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...アートレ,デース今更に我をまともに眺め得じ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかし、知るという以上、人間が地上に立ったという、二十万年の歴史、手が自由になった時の、その「自由」の感じを、まともに再び、継承し、意識し、受身でじゅうぶんに知らなくてはならない...
中井正一 「過剰の意識」
...裏の山からこの水を真面(まとも)に受けたこの家の一部を...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょっとまともには受けきれねえような睦(むつま)じい仲なんで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...家の正面にまともに西陽(にしび)がさしかけ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...コン吉は今日こそは正当(まとも)な昼飯にありつけると...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...まともに口の上へ接吻したのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...人間の真実としてまともなものを示したいと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私達姉妹はすじの通った深い情愛に立っているのだからそうやって話しがまともに通じなければなりません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かれらをまともに見られないらしい...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...まともに孝之助の顔を見まもった...
山本周五郎 「竹柏記」
...良人の眼をまともにみつめた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...真正面(まとも)に見たからである...
吉川英治 「新書太閤記」
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