...もっともこの声と云うのも、何と云っているのだか、言葉は皆目(かいもく)わからないのですが、とにかく勢いの好い泰さんの声とは正反対に、鼻へかかった、力のない、喘(あえ)ぐような、まだるい声が、ちょうど陰と日向(ひなた)とのように泰さんの饒舌(しゃべ)って行く間を縫って、受話器の底へ流れこむのです...
芥川龍之介 「妖婆」
...まだるい音声を立てている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...入(いれ)ものが小さき故に、それが希望(のぞみ)を満しますに、手間の入(い)ること、何ともまだるい...
泉鏡花 「海神別荘」
...「大の男がそんなまだるいことがしていられますか...
徳田秋声 「縮図」
...「誰だい」まだるい返事...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだるい話だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここで兵馬は衣裳を改めて、床の間を前に端坐して、この、まだるい、悪寒(おかん)の、悪熱(おねつ)の身を、正身思実(しょうじんしじつ)の姿で征服しようと企(くわだ)てたのらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...思うようにいかないんだっていうことよ」「まだるい話だな――じゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...イングラム卿はまだるい云ひ方をした...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...どちらかと云ふとまだるい...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...総監の立ち去る前のまだるい七...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...あまだるい声でなにか呼びかける...
山本周五郎 「季節のない街」
...あまだるいような呻(うめ)き声が...
山本周五郎 「へちまの木」
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